おしっこが近い、尿漏れでズボンが…中高年男性が直面する排尿障害
おしっこが近い、夜中にトイレで起きる、尿漏れでズボンを汚す。加齢が原因と軽く考えていたらそれは「万病のもと」だった。膀胱と排尿の関係が中年男のライフスタイルを左右する。
多くの中高年男性にとって、ムスコとの付き合い方は悩みのタネだが、昨今、ED以上に注目されるべき異常は「排尿障害」だろう。今年1月に刊行された『本当はこわい排尿障害』(集英社新書)によれば、日本人の10人に1人、つまり1200万人に何らかの排尿障害の疑いがあるというのだ。
かくいう40代の記者も、頻尿の気があるのか、1時間おきにトイレに通う日々。そのうえ、これだけ出しているにもかかわらず、必ず残尿感があるのだからたまらない。十分にムスコをしごいて尿道をカラにしたはずなのに、トイレから戻る途中で“ちょい漏れ汁”がパンツを汚しているのだから、始末が悪い。
しかも、ただの「尿漏れ」と侮るなかれ。前掲書によれば、排尿障害は多数の病気や体調不良の原因になっている場合があるという。その例として列挙された数十項目のうち、ドライアイ、下痢症、逆流性食道炎、多汗症、口内炎ができやすい、おならの多発は、記者にドンピシャで当てはまる。果たして排尿障害は万病のもとなのか。
こうした肉体の不具合に直面したとき、多くの同輩は、中年に差しかかって年相応に体のあちこちにガタがきたものと諦めがちだ。だが、排尿障害を自覚し、その症状に真剣に向き合えば、若々しく生活できるかもしれない。
小便の海に溺れかけている記者は、藁にもすがる気持ちで、前掲書の著者を訪ねた。排尿障害に詳しい高橋知宏医師である。泌尿器科の医師は日本に7000人程度いるが、高橋医師は独自の治療方針で知られており、その知見を求めて日本全国どころか海外からも、年間1000人に上る新規の患者が訪ねてくる存在なのだ。
「排尿障害の代表的な症状としては、一日8回以上トイレに行く頻尿、安眠を妨げる夜間頻尿、陰嚢の痒み、排尿後に尿が漏れる遺尿、咳やくしゃみなどでつい濡らしてしまう尿失禁、排尿後の残尿感、尿が2筋になったり散ったりする尿線分裂などが該当します」
この他にも排尿障害が疑われる症状はいくつもあり、そのごく一部をまとめたので、参考にしてほしい。
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こんな症状があったら「排尿障害」かも!?
□ 一日8回以上の小便
□ 尿意を催すと動悸を感じる
□ 残尿感
□ 会陰部(陰嚢と肛門の間)の疼痛
□ 尿線が分裂・小便が飛び散る
□ 尿道の痒み・痺れ・痛み
□ 尿漏れの感覚
□ 睾丸が引っ張られる・お腹にくっつく
□ 陰嚢がベタベタする
□ 射精時、射精後に痛みを感じる
□ 精液がゼリー状になっている
□ 自分の尿の臭いを常に感じる
□ 水の音を聞くと尿意を催す
□ 原因不明の坐骨神経痛
□ 足の裏の痺れ・痛み
※高橋医師が過去に診察した患者の症例から排尿障害が原因とされる症状15をピックアップした。心当たりがある向きは勇気を持って相談を。
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「年間8000人もの患者を診察してきた経験上、中高年の約半数が排尿に関する問題を抱えていると、推測しています」
1200万人の日本人が下半身の異常に苦悩する
一日8回以上は「頻尿」。“飛び散り尿”は要注意!
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