平成19年(2007年)
平成19年は、東国原英夫・宮崎県知事の「どげんかせんといかん」が流行語になった年。いわゆる「消えた年金記録」が発覚し、大問題に発展しました。仮想世界で生活するウェブサービス『セカンドライフ』が日本でも話題に。「初音ミク」の誕生もこの年です。
ゲームでは、前年発売のWiiタイトルがロングセラーを続け、DSもヒット作に恵まれるなど任天堂が絶好調。「ナゾトキ」を全面に押し出したレベルファイブの『レイトン教授』シリーズもブームを起こしました。PSPで気を吐いたのが『モンスターハンター ポータブル 2nd』。翌年の『2nd G』と合わせ、4人での共闘は社会現象ともなりました。
モンスターハンター ポータブル 2nd
そのほかの注目のヒットゲーム
・WiiFit(Wii)
・釣り★スタ(携帯電話)
平成20年は北京五輪が開催された年。メインスタジアム、通称「鳥の巣」がインパクト大でした。9月には「100年に1度の経済危機」と言われたリーマンショックが発生し、金融市場は大混乱。スマホ時代の到来を告げる「iPhone 3G」が日本に上陸しました。
この年は、PS3で仮想空間サービス「PlayStation Home」がスタート。ウェブ上でのコミュニケーションが当たり前となりつつありました。DSでは、つんくさんが企画・プロデュースをした『リズム天国ゴールド』がスマッシュヒット。『わがままファッション ガールズモード』や『DS美文字トレーニング』など、新機軸のDSタイトルがロングセラーとなりました。
現在はサービスを終了している「PlayStation Home」
そのほかの注目のヒットゲーム
・マリオカートWii(Wii)
・ディシディア ファイナルファンタジー(PSP)
・イナズマイレブン(DS)
平成21年(2009年)
平成21年は、夏の衆議院選挙で民主党が歴史的大勝を果たした年。村上春樹さんの長編小説『1Q84』が書店にタワーを作っていました。テレビアニメ『けいおん!』が放映開始、AKB48の選抜総選挙が始まったのもこの年です。
ゲームでは、友だちや芸能人をMiiとしてマンションに住まわせ、その生活を覗く『トモダチコレクション』がじわ売れしてダブルミリオンを達成。DS『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の「すれちがい通信」で入手できる「まさゆきの地図」が話題に。また、恋愛シミュレーション『ラブプラス』にどっぷりハマるファンが続出しました。この年はコーエーとテクモが合併、コーエーテクモホールディングスが設立されています。
そのほかの注目のヒットゲーム
・ファイナルファンタジーⅧ(PS3)
・モンスターハンター3(Wii)
・怪盗ロワイヤル(携帯電話)
平成22年(2010年)
平成22年は、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」のサンプルを持ち帰った年。朝ドラ『ゲゲゲの女房』が好評を博しました。前年に発売された桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」が火付け役となり、食べるラー油もトレンドに。
ゲームでは『モンハン』から始まった狩りゲーブームが波及し、バンダイナムコの『ゴッドイーター』がスマッシュヒット。また、AKB48の人気を受けて、メンバー47人を振りまくる『AKB1/48 アイドルと恋したら…』も出荷40万本を記録しています。前年のDeNA『怪盗ロワイヤル』、この年のKONAMI『ドラゴンコレクション』など、ガラケーをメインに現在のソーシャルゲームの基盤ができあがったのもこの頃です。
AKB1/48 アイドルと恋したら…
そのほかの注目のヒットゲーム
・ポケットモンスターブラック/ホワイト(DS)
・北斗無双(PS3、Xbox360)
・ゼノブレイド(Wii)
次回は平成23年(2011年)~平成30年(2018年)まで。平成ゲームシーンから見えてくる平成時代とは?
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『
はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も