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サッカー日本代表がポスト大迫勇也を探さなければならない理由

 先日行われたサッカー日本代表のキリンチャレンジカップはコロンビア代表、ボリビア代表を相手に1勝1敗で終了した。香川真司の久々の代表復帰や中島翔哉の活躍といったトピックはあったものの、残念ながら高いモチベーションや結果を示した選手は多くなく、やや収穫の乏しい2試合となってしまった。あえてプラス材料を挙げるとするならば、チーム全体が普通のモチベーションでプレーしたことで、いま現在の日本代表のありのままの地力が測れたことだろうか。  なかでも改めて顕著となったのが「大迫勇也の代役不在」問題だ。

日本代表の攻撃を一気に活性化させる大迫勇也の「引き出し力」

 大迫はここ数年の日本代表で最も代えがきかない存在になった。前線で起点となるポストワークの巧さが突出しており、中盤からの縦パスを収めて攻撃を活性化できる唯一の選手だからだ。 「サコはこっちがボールを持ったときに“ここで来てほしい”というジャストのタイミングで顔を出してくれる。ボールを“引き出される”感覚がすごくありますね」  昨年のワールドカップ前に乾貴士がこんなことを話してくれた。この大迫の「引き出し力」を絶賛する選手は実に多い。例えば乾には乾の、香川なら香川の「今なら出せる」「今ここに(くさびのパスを)刺したい」という瞬間があるわけだが、その出し手それぞれの微妙に異なる間合いに合わせて常に絶妙なタイミングで顔を出せるのが大迫の最大の特徴だ。  大迫のように前線でボールを引き出せる選手は、ボールを運びながら前を向いて勝負するアタッカータイプとの相性が良い。堂安、中島、乾など、現在の日本代表の主力の多くがこれに該当する。一度前線の大迫に預けてスペースでリターンを受ける形や、それを囮(おとり)に3人目の動きを誘発する形など、攻撃の流れを作ることができるからだ。流動的な連携が生まれることで相手DFは的を絞りづらくなるため、堂安や中島らが持っている個の突破力もより活きてくる。昨年10月に行われた対ウルグアイ戦(4-3で勝利)などはその良さが出た典型的な試合だ。前線の連携が噛み合えばトップレベルの相手にも対抗しうることを証明してみせた一戦だった。
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