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サッカー日本代表がポスト大迫勇也を探さなければならない理由

システム変更による解決は不可能。代役探しが急務か

 だが一方で、現在の日本代表は大迫が抜けると途端に機能不全に陥ってしまう。2か月前に行われたアジアカップでも、大迫が負傷離脱して以降前線の連携は一気に停滞した。先日のコロンビア戦は鈴木武蔵が、ボリビア戦では鎌田大地が代役を務めたが、マイボール時の動きにはやはり課題を残した。

写真は鈴木武蔵

 そもそも鈴木にしても鎌田にしても、根本的に大迫とはタイプが異なる。同じ役割を要求すること自体が酷なのかもしれない。だが、現在の日本代表においては「前線で収められる選手」がどうしても必要不可欠だ。  前述した通り、日本には力のあるアタッカーが多数いる。ここ10年ほどを振り返ってみても、小柄ながらも技術に長けた選手は一定数台頭してくる傾向にある。器用さに長けた日本人らしいタイプだが、そういった選手が多く出る流れができ始めている以上、代表で彼らの良さを活かせるチーム作りを目指すのは自然な流れだ。そうなると、やはり前述した噛み合わせの観点から、彼らの良さを引き出せるポストワーカーが必ず必要になるのだ。  ボリビア戦後、ネット上では「4-2-3-1にこだわる必要はない。大迫不在を想定して、4-4-2にしてストライカータイプの選手を並べてはどうか?」といった旨の意見が散見された。だがこの問題はシステムを変えただけで解決するものではない。スペイン人の指導者がよく言うことだが、数字の並びや選手の配置はそれほど大きな問題ではなく、ピッチ上の役割の問題だからだ。2トップにしてみたところで、周りの選手の顔ぶれが変わらない限りは、やはり同じ現象が起きてしまうことだろう。ポスト大迫勇也発掘は急務だ。  新体制になって1年も経たずに明確な課題と直面したサッカー日本代表。森保監督はこの状況をいかにして打破していくのだろうか。 取材・文/福田悠 撮影/難波雄史
フリーライターとして雑誌、Webメディアに寄稿。サッカー、フットサル、芸能を中心に執筆する傍ら、MC業もこなす。2020年からABEMA Fリーグ中継(フットサル)の実況も務め、毎シーズン50試合以上を担当。2022年からはJ3·SC相模原のスタジアムMCも務めている。自身もフットサルの現役競技者で、東京都フットサルリーグ1部DREAM futsal parkでゴレイロとしてプレー(@yu_fukuda1129
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