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オススメ論文「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの犠牲」etc.

― 世界の[トンデモ研究論文]大集合(5) ―  おもしろ論文探索歴が10年以上にもなるサンキュータツオ氏。大学の図書館で定期的にチェックしている論文の中から、選りすぐりのものを紹介してもらった。 ◆「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」 【東京都市大学教授 小林茂雄氏】 「海に面した傾斜面に座っているカップルを対象に、どのくらい他人が近づいたら不快に感じるか……という観察を行った、パーソナルスペースについての研究です。望遠鏡で観察しているので、はたから見たらただの覗き(笑)。しかも、実際にこの調査を手伝った学生がカップルになったという後日談付き。この先生には『線状に滞在するカップルに求められる他者との距離』という状況を変えた論文のほか、『喫煙所における見知らぬ他者への声のかけやすさ』など、ほかにもおもしろ論文が多いです」  ちなみに、他者との距離が5mのとき、50%のカップルが他者を気にしなくなるんだとか。 ◆「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの犠牲」 【京都女子大学短期大学部教授 岡部和代氏】 「文字どおり、女性がブラジャーをしながら走っているときに、胸がどのように揺れるのかを研究したものです。別にセクハラな研究というわけではなく、研究結果はブラジャーの開発などにも生かされているようですけどね。タイトルが秀逸」 ◆「女性向け二次創作に見られる自己表現」 【霜村史織氏】 「腐女子と呼ばれる『女オタク』の楽しみと主張を、実際にオタクである著者が記す意欲作。一切辞典の類には載らない『やおい』『ヤオイ』『腐女子』『カップリング』『受け』『攻め』という言葉も、クールに定義しています。なお、この論文が掲載された『女性学年報』は、定期的にミラクル論文が掲載される雑誌なので、今後も注目していきたいです」 ◆「洗面ボウルの大きさと使いやすさに関する一実験」 【実践女子大学 田中恭子氏、佐藤好美氏、塚本真弓氏、垣本由紀子氏】 「『洗面ボウルをどう使うか』という人類普遍のテーマ(笑)に挑んだ論文です。一番使いやすい洗面ボウルの形状や大きさと、どうやったらそれを使いこなせるか……という内容を徹底的に考察しており、一番使いやすい姿勢については、なんと写真付きで解説しています」  導き出された望ましい洗面ボウルは幅50×奥行き33.5cm以上! 取材・文/田山奈津子 古澤誠一郎(オフィス・チタン)牧 沙織 鈴木靖子(本誌) 撮影/山形健司 イラスト/坂川りえ
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