「探検先のウンコは持ち帰る。愛する洞窟を自分で汚すことはできない」洞窟探検家・吉田勝次の洞窟愛
国内外で1000か所以上の洞窟に潜り、人跡未踏の洞窟を探検しつづける、洞窟探検家・吉田勝次氏。「A4サイズの隙間があれば入れる」と豪語するとおり、先日放映された『情熱大陸』では、見ているこちらが息苦しくなるほど、狭い隙間にギュウギュウと体を押し込んでいく――。そんな『情熱大陸』の撮影秘話や、番組に登場したラオスの洞窟の後日談を聞いた。
――『情熱大陸』では、岐阜県や沖縄県、ラオスの洞窟を探検していましたが、取材期間はどれくらいだったんですか?
「まる1年以上ですね。日本を含めると、5か国6か所の洞窟へ行っています。自分で撮影(自撮り)したり、カメラだけ借りていって海外では仲間に頼んで撮ってもらったりしたので、素材は膨大にあります。ですが、25分の番組なので、絞らなきゃいけないとなって、結局ラオスがメインになりましたね」
――番組の紹介記事によれば、「これまで様々な場数を踏んできた取材陣も、今回、言葉に尽くせぬほどの恐怖と困難を味わうことになった」とあります。それほど過酷なロケだったのですか?
「いやー、オレにとっては普通でしたけどねえ。ディレクターさんは大変だったでしょうね。オレが行くところ全部に、一緒にきてもらうわけだから、取材前には、うちの事務所で何日もロープワークの練習をしてもらいました。いざ洞窟に行っても、ロープで崖を降りて、狭いところに潜ってドロドロになって、ドロドロのまま洞窟の中で寝なきゃいけないし、排泄物も全部持ち帰らなきゃいけない」
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――排泄物を持って帰る!?
「そうですよ、大も小も。洞窟は非常にデリケートな環境ですし、自分たちが愛する洞窟を自分たちで汚すようなことはできないですから。実は番組で、オレがウンコしにいくところが流れたんですよね」
――は!?
「密閉できるビニール袋を持って、みんなから離れてくシーンがあるんです。普通、ビニール袋にウンコするとは思わないでしょうから、たぶん見ている方にはわからなかったと思いますけど。このシーン、入れるかどうするか、ディレクターさんがずっと悩んでいたんですよ。放送を見たら入っていたから、『ああ、スペインやメキシコの洞窟をカットしてでも、このシーンを入れたんだ』とディレクターさんのこだわりを感じました」
――『情熱大陸』では、ラオスのキラキラ光る鍾乳石の洞窟を発見したが、村人からほかにもまだ人に知られていない洞窟があると教えてもらったという。そこは洞窟内に川が流れており、ボートを使わないと奥へ行けないのだとか。
「ええ、そのためにもうボートも買いました。来年はもっとすごい洞窟に行けるかもしれません」
ラオスではハプニングの連続だったという吉田氏。7月5日には、探検家・ノンフィクション作家の角幡唯介氏と異色探検家トークショーを行うという。数々の洞窟愛はもちろん、きっと25分の『情熱大陸』でカットされた裏話が飛び出すはず。
<取材・文/日刊SPA!取材班>
吉田勝次×角幡唯介
『洞窟ばか すきあらば前人未到の洞窟探検』刊行記念トーク
「地球探検大放談!」
7月5日 19:00~20:30
ラカグ2Fレクチャースペース
詳細、チケットはこちら
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01ra1xyxakbn.html
『洞窟ばか』 破天荒な行動と憎めない人柄、何よりも、洞窟にかける情熱とときめきに、こちらまで胸が熱くなる。人なつっこくて怖がりで、ロマンチストで、たまにアホ。読んだら元気が出ることは間違いない。 |
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