人は乾電池の力でどこまで飛べるのか? 東海大学の学生がギネス世界記録に挑む
2008年以降、毎年行われているパナソニックの乾電池「エボルタ」を使ったさまざまなチャレンジ企画「エボルタチャレンジ」。これまでも「エボルタ」で動くロボットにグランドキャニオンを登らせたり、東海道五十三次を走破させたり、廃線を復活させ電車を走らせたりするチャレンジを行ってきた。
そんな「エボルタチャレンジ」。今年は東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・人力飛行機チームの学生と組んで、単3形乾電池「エボルタ」を動力に、総勢51名の学生が製作した機体で、ギネス世界記録に挑むという。パイロットを務めるのは設計も担当した東海大学3年の鷹栖啓将くん(21歳)。「琵琶湖は難しい風が吹くことがあるので、気象状況と飛行ルートをよく確認して挑みたい」と、意気込みを語った。
今回「エボルタチャレンジ」が挑むギネス世界記録は、一次電池(乾電池)で固定翼飛行機が飛んだ最長距離。チャレンジの舞台は、あの「鳥人間コンテスト」の舞台でもおなじみ滋賀県・琵琶湖だ。琵琶湖東北にある彦根港を飛び立ち琵琶湖を縦断。10km以上の飛距離を叩き出せばギネス世界記録の樹立となる。
ギネス世界記録にチャレンジの際のルールは以下の通り。
①10km以上飛行すること
②離陸&飛行の動力は市販の乾電池のみであること
③飛行中に乾電池の交換はできない
④飛行中に部品の取り外しはできない
⑤離陸ポイントから着水ポイントに至るまでの「飛行経路の総距離」が本挑戦の記録となる(離陸ポイントから着水ポイントまでの「直線距離」ではない)
⑥飛行距離の算出はGPSシステムを使用する
7月から製作が行われている機体の重量は約77kg。人を乗せて約130kgとなる。材質は炭素繊維強化プラスチックや発泡スチロール、木材など。機体は翼班、プロペラ班、フレーム班、カウル班、駆動班、電装班の6つの班に分かれて各パーツの製作を担当している。今後、試験飛行を経て最終調整が行われるそうだ。
ちなみに乾電池を動力にして、距離を目的とした琵琶湖での有人飛行は初の試み。今回使用される乾電池は、単3形乾電池500本前後になる予定だ。
このギネス世界記録に挑む「エボルタチャレンジ2016」は、11月3日(木)6時30分頃にスタート予定。当日は5時30分頃~10時30分頃まで、道の駅びわ湖大橋米プラザ1Fレストランでパブリックビューイングも実施される。人は乾電池の力でどこまで飛ぶことができるのか? そのチャレンジの行方に注目したい。
<取材・文/日刊SPA!取材班>
●エボルタチャレンジ
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