1億円を手にしたプロゲーマーの生活と素顔に迫る
‘18年12月16日、国内で開催された高額賞金付きの大会“Shadowverse World Grand Prix 2018”で、とある日本人のプロゲーマーが世界王者に輝いた。彼が手にした優勝賞金は、驚愕の100万ドル(約1億1000万円)! 年収1000万円の壁を飛び越えて、1億円プレイヤーの仲間入りを果たしたのが、eスポーツ専門のプロチーム“よしもとLibalent”に所属するふぇぐ選手(24歳)だ。
彼が得意とするのは、『シャドウバース』(以下、『シャドバ』)というトレーディングカードゲーム。『進撃のバハムート』や『グランブルーファンタジー』などで知られる、サイゲームスがサービスを提供している。
野球少年やサッカー少年がプロの世界を夢見たように、ふぇぐ少年もゲーム好きが高じてプロゲーマーになったに違いない。だが、彼の答えは筆者の予想外のものだった。
「じつは、ゲームはあまり遊んだことがなくて。『シャドバ』は大学の先輩に強く勧められてインストールしたのですが、それまでカードゲームだということも知りませんでした(苦笑)。もともとカードゲームは好きだったので、『シャドバ』は継続して遊んでいところ、優勝賞金400万円の大会(ファミ通CUP2017)が開かれることを知ったんです。せっかくなので、運試しで出てみようと思いました」
その大会で初心者ゲーマーのふぇぐ選手は、並み居る強敵を倒してまさかの優勝。一躍、『シャドバ』のトッププレイヤーになった彼は、シャドウバース日韓戦日本代表の一員に選ばれると、この試合でも優勝を飾る。
「でも、2017年の世界大会(RAGE Shadowverse World Grand Prix)では5位タイに終わってしまって……。この結果が悔しかったので、2018年は『シャドバ』に打ち込もうと決めたんです」
『シャドバ』に熱中する前、ふぇぐ選手は父親と同じ不動産業界を目指して、大学で宅建の勉強をしていた。大学を休学し、2018年を『シャドバ』にかけるという内に秘めた強い想いも、両親には伝わらず大ゲンカになってしまう。転機となったのは、『シャドバ』部門のeスポーツ専門のプロチーム“よしもとLibalent”の設立だ。
「いくつかの大会で結果を残していたので、自分なら入れるだろうという考えもあって、よしもとLibalentにはすぐ応募しました。書類選考の後、面接、『シャドバ』をプレイする実技へと進み、メンバーの一員に選んでもらえました。これで両親も安心して、僕の活動を応援してくれるようになったんです」
よしもとLibalentは、プロゲーマーの世界では珍しい給料制。プロの世界なので、当然結果を残さないと契約を解除されるおそれはあるが、大会の優勝賞金はボーナスとなるので、ほかのスポーツ同様、高額賞金を手にする可能性がある。
「給料は同年代と比べたらもらえていますよ。優勝賞金の一部は会社に渡していますが、取り分でもめたことはありません(笑)。日本でもeスポーツが盛んになってきていると肌で感じているので、今後は高額賞金の大会も自然に増えていくのではないでしょうか」
24歳の若者が1億円プレイヤーの仲間入り
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