カーライフ

87歳の池袋暴走事故。高齢ドライバー問題に意外な解決策がある

自動運転タクシーが現実のものに

 ライドシェア最大手といえば、アメリカ発の「Uber」だ。  池袋の悲惨な事故が発生した日、デンソーとトヨタ自動車、そしてソフトバンクはUberに対して計10億ドル(約1100億円)の追加出資を行うと発表した。これはUberが進める自動運転システムの開発を念頭に置いた投資である。  Uberは一般ドライバーによる配車サービスでシェアを広げると同時に、自動運転の実証実験もすでに開始している。ライドシェアのオペレーションシステムはAIと連動していると先述したが、それは自動運転タクシー運用に向けたデータ収集の意味合いも兼ねている。  ドライバーのいない車をいつでもどこでも呼び出せる、という光景はSFの世界ではなくなっているのだ。

高齢者だけでなく、過疎地域にもニーズが

 突き詰めて考えれば、ライドシェアの仕組みは日本の地方部に対してより親和的である。数字上の利用者は少ないが、それでも「交通の足がどうしても必要」という人が存在する地域、と言い換えれば適切か。このあたりは、過疎地域のスーパーマーケットやガソリンスタンドが撤退してしまう問題と構造が似ている。  しかしスーパーマーケットと違うのは、車はスマホひとつでいつでも呼び出せるという点だ。今いる場所が池袋であろうと奥多摩町であろうと、同一のスマホアプリで低料金の配車サービスを利用できる。  こうした光景が日本で実現すれば、身体能力に問題のある高齢者が自ら車を運転する必要はなくなるだろう。<取材・文/澤田真一> 【参考】 Grab,Uber
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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