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ヤクザになった若者たちの理由。暴対法でがんじがらめの今、なぜ?

暴対法でがんじがらめの今……それでもヤクザになる若者たち

 暴対法の施行以来、法律と摘発でがんじがらめになったヤクザ。任俠の道を究めるなどという若者は激減。そんなヤクザ業界に足を踏み入れた若者は一体、何を考えているのだろうか。
暴力団追放

住民から立ち退き訴訟を起こされることも珍しくなく、事務所も構えられない(写真/時事通信社)

騙し討ちのようにして若い衆にされた組員たち

 日本全国を桜の花びらが祝福した4月。各地の学校や職場ではフレッシュな若者たちを迎えたことだろう。だが陽気な新人歓迎シーズンを終え、沈鬱な表情を隠せないのが、暴力団幹部の面々だ。なにしろ’04年以来、この業界では人が減る一方なのである。 「今年3月28日に警察庁が発表した統計によると、’18年末時点での暴力団勢力は3万500人で、14年連続の減少です。暴力団排除条例が全国の自治体で施行された’11年には過去最多の8000人が組織を抜け、以降は毎年10%を超えるペースで縮小しています」(週刊誌ヤクザ担当記者)  この窮状を象徴するような事件が、今年1月中旬に明るみに出た。組織を抜けようとした男を軟禁して頭を丸刈りにした容疑で、六代目山口組の二次団体組長らが逮捕されていたのだ。 「山口組の二次団体組長といえば、『直参(じきさん)』と呼ばれる大幹部。ひと昔前なら数百人の子分を抱えていたようなクラスですよ。そんな人間が、脱退しようとした末端構成員を直接殴ったらしいんですから、昨今のヤクザ組織の層の薄さが窺えるというものです」  極端な例では、子分が数人しかいない山口組直参も存在するとか。業界の人手不足は底なしなのだ。
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フロント企業に就職。そのまま組員に…
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