更新日:2023年03月21日 15:58
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“令和初”夏の参院選、改憲勢力3分の2維持は?

衆参W選挙の可能性は?

 一方、参院選を間近に控え、今も燻り続けているのが衆参W選挙の可能性だ。政治ジャーナリストの安積明子氏が話す。 「安倍首相の最側近と言われる萩生田自民党幹事長代行が、消費増税の先送りを示唆する発言をして物議を醸しましたが、あのとき、増税延期なら国民に信を問うべき、と話したことで、永田町では、安倍首相が6月30日投開票で衆参W選に打って出るという噂が駆け巡りました。  官邸主導で観測気球を打ち上げたと見て選挙中に公約を掲げるという異常事態となりかけたように、この日程では準備が間に合わなくなる。ただ、W選なら、安倍首相の党内プレゼンスを盤石にするためだけの、大義なき選挙となってしまいますよ」 夏の参院選 今回、藤本氏と安積氏に加えて、記者ゼロの通信社として知られるJX通信社代表の米重克洋氏にも参院選の行方を占ってもらった。AIを駆使したデータ解析で、’17年の東京都議選で報道各社の情勢分析が軒並み外れるなか、都民ファーストの会躍進を予測したことで話題となったが、米重氏によると、今回の参院選は’16年の参院選と重なる部分が多いという。 <参院選の議席獲得見立て> ●改選 自民党    67 公明党    11 日本維新の会 9 立憲民主党  11 国民民主党  10 日本共産党  8 ●政治ジャーナリスト・藤本順一氏 自民党    55~65 公明党    11~13 日本維新の会 6~8 立憲民主党  20~25 国民民主党  8~12 日本共産党  5~8 ●政治ジャーナリスト・安積明子氏 自民党    54~58 公明党    13~14 日本維新の会 7~8 立憲民主党  21~22 国民民主党  12~15 日本共産党  6~8 ●JX通信社代表・米重克洋氏 自民党    52~62 公明党    13~14 日本維新の会 6~8 立憲民主党  19~27 国民民主党  4~7 日本共産党  4~8 「今ある各党の支持率を見ると、’16年の参院選のときとかなり似通っている。前回は野党4党が32の1人区すべてに統一候補を立てて11人が当選し、自民はかなり取りこぼしています。前回の結果をベースにすると、変動要素としては消費増税の行方。変数としてもっとも大きいのは立民と国民の力関係がどうなるのかという点でしょう。  立民の比例候補を見ると、左派色が強かったり、元社民党の地方議員がいたりで、社民や共産の比例票を奪いにきている。先の統一地方選の結果から明らかなのは、“組織は国民にあり、支持は立民にある”ということ。急ごしらえの立民は、組織が整備されていないため候補擁立も追いつかず、実力ほどの議席を取れないことが予想される。  一方、旧民進党の支部を引き継いだ国民は、大選挙区や中選挙区が存在する参院選ではある程度議席を取れるはず。ただ、統一地方選のように、立民の半分の議席を取ることは難しく、野党間の争いは相対的に立民に有利となるが、野党全体としては伸び悩むでしょうね」  与党に維新を加えた改憲勢力で3分の2をクリアできるのか? それとも、野党が大同団結でこれを阻むのか? 熱い戦いは始まっている。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社> ※週刊SPA!5月7日発売号「今週の顔」より
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週刊SPA!5/14・21合併号(5/7発売)

表紙の人/ 福山雅治

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