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退職代行業者を使ったら、会社から損害請求も!? 無資格業者のトラブルが続出

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有給もゼロ? 依頼者は不利な条件に泣き寝入り

 すべてお任せあれ、と装う非弁業者の弊害は甚大だ。 「依頼者が会社から提示された不利な条件を飲まざるを得ないケースもある」  と嵩原氏も言う。  顕著なのは有給休暇の交渉。  そもそも有給休暇は6か月間、全労働日のうち8割以上出勤したら、10日が付与されるもの。その後は1年ごとに、最終的には6年6か月以上の勤務年数になったときは年20日まで増えていく。また、パートやアルバイトでも、勤務日数に応じた有給休暇が与えられる。 「実際にこのような法的な知識を持っている経営者は多いとはいえません。会社側から『うちの会社には有給休暇なんてない!』と言われたら、非弁業者はそのまま依頼者に伝えることしかできません。有給休暇がとれるように会社と『交渉』すると弁護士法違反となるからです。  そうしますと、退職代行業者は会社から言われたことをそのまま依頼者に伝えるしかなく、依頼者も言われたことを受け入れるしか術がありません。その結果、本来取るべき有給を取れないなど、一方的に不利な立場に追い込まれてしまう」

モンスター上司が深夜、実家を急襲。警察沙汰に!

 また中には、話がこじれて警察沙汰になる場合もある。  パワハラで悩む運送業者勤務の高田千晶さん(30代、仮名)は、知り合いから教えてもらった退職代行業者に依頼した。しかし業者からの連絡に上司は激昂。その日の深夜、なんと高田さんの実家に酒を飲んで乗り込むというとんでもない行為に出た。  上司は老齢の母親とたまたま帰省していた姉を軟禁した上、自分と母・姉が写った写真を高田さんの携帯に送ってきたという。動揺した高田さんは退職代行業者に連絡するも、「私たちの業務範囲外です」との返答。止むを得ず高田さんは実家に急行し、上司と対面せざるを得ず、警察にも通報することになった――。 「さすがにここまでくると、乗り込んだ経営者に問題があることは明らか。ただ、世の中にはこうした非常識なブラック企業経営者もいます。だからこそ退職代行業者を使ってでも辞めたい、となるわけですが……頼った先が非弁業者では、残念ながら何も対応できず、自分でなんとかするしかありません」(嵩原弁護士)
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「弁護士事務所と提携」は意味がない
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