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仲間のアパートでようやく御用。実刑確定「逃走犯」 不良仲間が明かす最凶ヤンキー伝説

大人になっても地元を離れない不良たち

「最凶伝説」は枚挙に暇がないようだが、今回のような事件は「地域性」とも密接に関わっているという見方もある。裏社会やアウトロー文化にも詳しいノンフィクションライターの石原行雄氏が話す。 「厚木、町田、八王子、川崎といった都心から少し離れたエリアは、ヤンキーやアウトローの多い街として知られています。これらの地域には1970年代半ばから新たな仕事や夢のマイホームを求めてやってきた地方出身の団塊世代が多く、住宅公団(現UR)などがこうした『ニュータウン』の至るところに、賃料の安いマンモス団地を建てました。  そのため、教育に熱心でない低所得者層も数多く流れ込み、彼らが団塊ジュニアと呼ばれる子供をたくさん生んで育てたのです。今回逃走した容疑者は43歳。『校内暴力』で学校が荒れに荒れていた5~6年下の世代のため、まだ黄金世代の影響が色濃く残っている時期に青春時代を過ごしたと言える。  また、厚木の近くには海軍飛行場やキャンプ座間があるが、基地を抱える街は比較的不良が多く、恒常的にドラッグ需要もあるので、その界隈を太い縄張りにする地元のヤクザが幅を利かせているのも特徴の一つ。  ヤクザが地元のヤンキーやアウトローを一本釣りでリクルートする、大人になっても地元を離れない不良も多い。そんな地元密着型の街が、今回の逃走劇の舞台になったということでしょう」  今回の「逃走劇」を可能にしたのは地元のネットワークだ。逮捕現場となった神奈川県横須賀市内のアパートには複数の「知人」が集まっていたことがわかっており、逃走した19日の深夜にも、小林容疑者の逃走車両が知人宅近くで発見されたが、この知人は捜査当局に対し「(小林容疑者には)しばらく会っていない」と説明。翌20日にも小林容疑者は知人女性のクルマで大和市の知人男性宅まで移動していた。地元が同じだという別の男性が話す。 「ヤンキー時代のネットワークが動いているのは確実です。そもそも、不良の繋がりは年くっても生きているし、上下関係は絶対に近い。仲間や後輩が協力して、かくまっている可能性は高いと思います」 「どこまでも逃げる――」  逮捕前、小林容疑者は逃走資金を無心するために連絡した友人に、そう胸の内を吐露していたというが……。青春時代に培った、ヤンキーならではの強固なネットワークにはただただ驚かされるばかりだ。 取材・文/日刊SPA!取材班
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