『ハリポタGO』は世界的に静かな立ち上がり…日本での巻き返しなるか?
実際のゲーム内容はというと、「大災厄」に見舞われてマグル(人間)界に散らばってしまった、登場キャラや魔法の道具、魔法生物を回収していくというもの。マップ上に表示された「魔法の痕跡」をタップするとエンカウントし、画面が切り替わります。
『ポケモンGO』ならボールを投げる場面ですが、『魔法同盟』では画面に表示された線を素早くなぞって呪文を発動させ、呪縛を解いていきます。図鑑ならぬ登録簿は、白抜きのイラストが徐々に埋まっていく形式で、単なる図鑑以上にコレクション欲をかき立てます。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
『魔法同盟』の配信元は、『ポケモンGO』と同じナイアンティック。「砦」「宿屋」といった施設が『ポケモンGO』のジムやポケストップと共通しており、掛け持ちがしやすいのもメリット。日本での『ポケモンGO』ユーザーは、「『ポケモンGO』しかプレイしない」という人も多く、そうした固定層が「ひとまずDLしてみるか」と動くだけでも大きな意味があります。
また、日本での『ハリポタ』人気は高く、USJの『ハリポタ』エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」はオープン以来大盛況。昨年公開のスピンオフ映画第2弾『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』も興行収入65億円を超え、アメリカ除く世界興行収入ではイギリスを抜いて2位というニュースも報じられました。根強い『ハリポタ』ファンがいる日本には、世界以上に『魔法同盟』が加速する土壌があると言えます。
ただ、『ポケモンGO』でもよく言われる“地方格差”は、マップデータが共通しているため恐らく解消されていないでしょう。『ポケモンGO』や『ドラゴンクエストウォーク』と比べて、魔法生物に愛嬌が欠けるというのも弱いところ。そのあたりのネックを、ゲームの面白さとイベント、追加施策によってカバーできるかが中長期的なヒットの分かれ目になりそうです。1
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