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約3割の人が「トイレに10分以上こもった」経験あり。いったい何してるの?

適度な緊張感をもたらすトイレIoT

 トイレの籠城を防ぐためにはどうしたらいいのか。解決の糸口として期待できるのがセンサーを活用した「トイレIoT」だ。業界でいち早くトイレIoTに目をつけたファンブライトの山下晴規氏に話を聞いた。 「トイレIoTを導入すれば、小型の無線センサーがドアの開閉を検知し、どのトイレが空いているのか、何分使用されているのかといった情報をサイネージで確認することができます。『空き』や『使用』といった満空情報だけでなく、クライアントの要望に合わせて一定の時間が経過すると『注意』や『声掛』と表示することもでき、トイレに長居するのがはばかられる仕組みです」
公衆トイレに籠城する人々

トイレIoTで使用状況を可視化。経過時間によって使用→注意→声掛と表示が変化

 もともとは、トイレの空き状況の可視化やオフィスのトイレ内サボり防止が狙いだったが、「導入効果を調べたところ、導入前にはトイレに30分以上こもっていた数十人が、導入後はゼロになったので籠城問題にも効果的です」と山下氏は説明する。  前出の藤井氏も「トイレでこもっていることが周囲からわかれば、待たせている他人の目を意識させることができる」とその効果を裏づける。  また、藤井氏はプロンプト(行動のきっかけ)づくりも重要だと指摘する。 「トイレにいると時間の感覚が失われるので、人がノックするのに代わるような合図が必要です。例えば一定の時間が経過するとノックの音がする、照明の色が変わるなど、時間の経過を認識できればトイレを終えるきっかけになると思います」  快適化が進むトイレに、適度な緊張感が必要とされる日も近いかもしれない。 【過去記事】⇒男が知らない女子トイレの実態。なんでいつも行列ができているの?
公衆トイレに籠城する人々

トイレはみんなのもの。待っている人のことを考えてスムーズに済ませたい(写真はイメージ)

【藤井 靖氏】心理学者 明星大学心理学部准教授、臨床心理士。専門は臨床心理学、ストレス科学、認知行動療法。現場経験も豊富 【山下晴規氏】ファンブライト代表取締役 IoTサービスの企画、開発および運営を行い、いち早くトイレIoTに着目した <取材・文/辰井裕紀 ツマミ具依> ※週刊SPA!7月2日発売号「公衆トイレに籠城する人々」特集より
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週刊SPA!7/9号(7/2発売)

表紙の人/ 日向坂46

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