更新日:2023年03月28日 09:53
恋愛・結婚

恐怖のストーカー体験…誕生日に花束、深夜自宅にやってくる

誕生日に花束と手紙が送られてくる

 当然、罪悪感もあった。筆者は連れ込んだ翌日から幸子のことを忘れようと思い、会うことも避けようとした。告白するようなメールが来たが無視した。そうすればもう連絡は来ないだろう、そう思ったからだ。しかしその1か月後、幸子はどこか海外をバックにした自撮り画像を次々と送ってきた。  どうすることが正解なのだろうか。ハッキリと言うべきかもしれないが、相手を傷つけたくはない。無視することで察してもらい、諦めさせようと思った。  だが、幸子には全く理解できなかったようだ。その後、筆者の誕生日に花束と手紙が自宅に送られてきた。筆者の家族がそれを見て何を思うか……。適当にごまかした。 花束 しかし、少し怖くなってきた。  筆者は4つのメールアドレスをもっているが、受信拒否にしても、違うアドレスに送られてくる。そのアドレスで拒否しても、今度は違うアカウントから連絡がくる。  ちなみに、こっちは一度も返信していないが、幸子は最近の出来事などをつらつらと報告してくる。これが1年半ぐらい続いた。いつも存在を忘れかけた頃、2~3か月に一回連絡がくるのだ。  ある時、さすがに筆者も堪忍袋の緒が切れた。とはいえ、直接メールの返信をしては、「あっ、相手にしてくれる」と曲解される可能性がある。  幸子は筆者のTwitterをチェックしているはずなので、「こういう行為は迷惑だ」ということを酒の勢いにまかせて散々書いた(※そこに「幸子」という名前は出していない)。  すると数日後メールがあり、「そんなに迷惑だったなんて知りませんでした。もう連絡しません。これからの活躍を期待しています」とあって安心した。その後、好きな作家のイベントにも来ないし、4年の歳月が流れて存在を忘れかけていた。

「今、家の前にいるぞ」

 ある日の夜、筆者は部屋で音楽を聴きながら原稿を書いていた。すると父親が部屋をノックする。こんなことは珍しい。「どうしたの?」と尋ねると、怪訝そうな顔で言う。 「お前、幸子という女性は知っているか?」  一瞬、誰だっけ? と考えたが思い出した。4年も音沙汰がなかったのに、どういうことなのだ。かなり驚きながら「知っているよ」と答えた。最初は自宅に電話でもかかってきたのかと思ったが、筆者の想像をはるかに超えていた。 「今、家の前にいるぞ。本当に知っている人か?」  父親も心配気味に言う。後から知ったことだが、こんな時間に不気味な女、宗教の勧誘だと思ったらしい。  何の連絡もなしに、いきなり自宅に訪ねてきたのだ。ワケがわからないし、筆者は怖くなってしまった。正気ではない、まさか凶器を持っているかもしれない。とにかく彼女の感情を刺激するのは良くないと思った。  玄関を出ると、雨が降っていた。部屋着で出た筆者は肌寒かった。
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幸子と目が合い…
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