恐怖のストーカー体験…誕生日に花束、深夜自宅にやってくる
幸子と目が合う。
「なんなの?」
「さっきのメール見た?」
「見てない」
「家に行くってメールを送ったのだけど」
そういえば、仕事用のメールアドレスにずっと見慣れないメールが届いていたが、迷惑メールだと思い、何も見ないで捨てていた。
とはいえ、普通は返信がなければ勝手にやって来ないだろう。彼女は何のためにやってきたのか。幸子が言う。
「お菓子持ってきたから部屋で一緒におしゃべりしながら食べようよ」
迷惑なので怒鳴りたいが、面倒を避けたかった。ぐっと堪える。
「仕事中で、締め切りがあるから無理だよ」
「ああ、そう。じゃあ、これ食べて」
高級和菓子を手渡された。もうこの場を去ろうとしたが、「あの……」と愛の告白が5分間。筆者は「無理だよ、彼女いるし」と言い訳を並べ、冷たく突き放して玄関を閉めた。
あまりの恐怖でそれから外を見ることはできなかった。
その後、仕事は手につかないし、こっちがおかしくなりそうになる。また来るのではないかと、部屋にいることさえ怖くなった。
その2日後、携帯メールにいきなり訪れたことのお詫びがあったが、「二度とコンタクトを取らないでくれ」と返信した。
弁護士の友人にも相談した。とにかく証拠が重要とのことだった。1週間後、再び幸子からメールが入る。なんだか長いメールだが、読む気にはなれない。
「こんなメールもらっても迷惑なだけだから、二度と連絡しないでくれ」
その日、筆者はTwitterでストーカーに迷惑していることなどを再び投稿した。これを幸子が読むことを計算に入れてだ。それから3か月が経過したが、特に連絡は来ていない。
もちろん、身から出た錆で同情されないかもしれないが、こんな女は初めてだった。いつか再びふらっと自宅を訪ねてくるのではないかと恐怖を抱えて今も生活している。<取材・文/今永ショウ>
恐怖を抱えて生活している
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