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地方で「モバイルSuica」だけで生きられるか? 試してみたら…

 首都圏は「Suica経済圏」でもある。JR東日本の発行する電子マネーSuicaは、もはや日常生活の必需品と言ってもいいだろう。  筆者も上京した際はSuicaを活用している。そう、上京した際は。実は筆者は首都圏在住ではなく、普段は静岡県静岡市の自宅で記事を書いている。そんな境遇だから、Suicaとの接し方にはかなり気を遣う。
静岡駅

筆者は都内ではなく、静岡に住んでいる

 仕事で上京した際、23区内の路線に乗るにはSuicaが必要だ。しかし、静岡へ帰る前にその残高が余ってしまったら? もちろんJR東海運行地域である静岡市内でもSuicaは使えるのだが、静岡市という土地は今に至るまで「自家用車第一主義」の地域である。移動手段における鉄道の優先度は、東京ほど高くない。  にもかかわらず、静岡市には筆者と同じようにしばしば商用で上京する人が少なくない。Suicaの残高に頭を抱えている者は、決して筆者ひとりだけではないのだ。

地方都市で「モバイルSuica」生活は実現可能か?

 さて、筆者の所有するSuicaはICカード型ではなく「モバイルSuica」というものだ。なぜモバイルSuicaかというと、理由はふたつある。オンラインで即座に発行してもらえる上、筆者の財布はただでさえ他のカードで埋め尽くされていて、これ以上新しいカードを受け入れるわけにはいかないからだ。 suica そんな筆者にとって、スマホ1台で全てを完結できるモバイルSuicaは涙が出るほど便利な代物。が、モバイルSuicaの利便性は首都圏だからこその話。果たしてこれが静岡市だったらどうなるのか。冗談抜きで、この土地では「モバイルSuicaって何?」と言い出す人が少なくないのだ。  というわけで今回は、「静岡市にいながらモバイルSuicaのみでしのげるか?」という内容のチャレンジを敢行した。
suice

※画像はイメージです

 筆者の所持するスマホはiPhone8。モバイルSuicaはApple Payとの連携機能がある。筆者の場合は、そこからさらにau Walletに紐付けしている。首都圏では、この組み合わせが素晴らしいパフォーマンスを発揮する。  目標は3日間。この間は極力、モバイルSuicaのみで頑張ってみる。  まずは薬局。筆者の自宅の近所にある大型薬局チェーン店に顔を出し、適当に買い物。幸い、この店舗はSuica対応のマークが貼ってあった。  これは幸先いいぞ! そう思い、筆者は読み取り端末にスマホをかざす……が、反応しない。店員さんが急いでレジを再操作してくれたが、何度やってもスマホ画面には「今回のご利用に支払いは発生しませんでした」という表示が出てしまう。残高も減っていない。  このまま商品を棚に戻すわけにもいかないので、やむを得ずクレジットカードで支払うことに。3日間のモバイルSuica耐久生活だったはずが、開始から僅か15分で目標は打ち砕かれてしまった。
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ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

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【参考】Suica
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