「若い頃、仕事でクライアントとの間にトラブルがありました。ようやく解決して安心したのか、たまたま入ったワインバーで、モデル風の美女をナンパして。ワインをご馳走するうちにすっかり意気投合して、そのままホテルに直行してしまったんです」 　翌朝目覚めたら、財布から5万円が盗まれていた。 「それがトラウマになりました。以来、財布に多額の現金を入れない習慣が始まったんです。でも、突発的な出費もよくある。そこで、封筒預金をするようになったんです」 　奥さんのトラウマとは比べ物にならないほどしょうもない話ではあるが、平野さんにも色々あったようだ。 「その後、妻に『二度と封筒貯金はしないから安心してくれ』と話し、家に戻ってきてもらいました。結婚してるからもうナンパはしないし、今は財布に現金を入れていても不安じゃないです」 　第三者から見ればなんとでもないようなことでも、当人たちにとっては深刻で、場合によっては夫婦の仲を切り裂くような事態に発展することもあるのだ。結婚前に、相手の癖や習慣を知ることが必要不可欠なのかもしれない。＜取材・文／夏目かをる 取材協力／矢加部英達＞コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛＆婚活＆結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆～恋、のような気分で♪」