仕事

年収800万の主任から、400万の工場労働に…早期退職の現実

 常に雇用の危機に瀕している50代。会社に居場所を失えば、どうなるのか? 50代のリアルを追った。
逃げ切れない50代の末路

50代で早期退職、再就職した古沢さん

デスクワーク30年から早期退職で現場作業へ

 好況とされる現在でも、希望退職・早期退職を募る企業は多い。2019年1-6月、上場企業だけでも17社が募集し、8178人(判明分)が早期退職した(東京商工リサーチ調べ)。これは前年の2倍以上の人数で、大半は40歳以上の中高年が対象だ。 「早期退職に応募せざるを得ない状況となり、退職後は半年間家に引きこもっていました」  そう語るのは大手電機メーカーに32年間勤めた古沢一樹さん(仮名・54歳)だ。技術部をサポートする主任として年収800万円だったのが3年前。今は再就職した自動車メーカーの下請け工場で、年収400万円で働いている。 「リーマン・ショック後に大規模なリストラがあり、そこで肩叩きの対象にならなかったので『逃げ切った!』と思ったんですけどね。第2弾のリストラで『今の部署で、今と同じ仕事はできないよ』と左遷人事をにおわされました。  そこから半年間は、ことあるごとに『いつ早期退職に手を挙げるんだ』という無言のプレッシャーで針のむしろ。次第に追い詰められていきました」  当時、60人いた同期は10人にまで削られていた。自分たちの世代が会社からお荷物扱いされている空気は、痛感している。  結局、「子供もようやく独立し退職金で家のローンを完済すれば、収入が下がってもやっていける。それで、このストレスから解放されるなら」と根負けした古沢さん。だが、その先には過酷な現実が待っていた。 「今の職場は、ほぼ立ち仕事の肉体作業。忙しい時期は徹夜のときもあります。デスクワーク畑だった自分には、もう限界に近い。  毎日辞めたいと思っていますが、ここを辞めても次はないのがわかっているので、踏ん張るしかありません。もう気力で定年まで乗り切るしかありませんよ」  そう自分に言い聞かせて、今日も作業着に力なく袖を通す。  激務が続くなか、唯一のストレス発散が最近始めたパチンコだという。  「台の前に座っているとき、何も考えずに済むんです」 2019年の早期希望退職者は、富士通で2850人、東芝で1060人など、業績不振の電機メーカーで大規模リストラが目立つ。一方で、アステラス製薬や中外製薬のように、業績好調なのに将来を見据えた早期退職募集を行った企業もある。    好不況にかかわらず中高年の受難は続く。
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