仕事

突然、50代で本社オフィスから肩叩き「なぜ自分なのか…」

 常に転落の危機に瀕している50代。会社に居場所を失えば、どうなるのか? 悲しき男たちのリアルを追った。
逃げ切れない50代の末路

小林泰明さん(仮名・52歳) ※写っているビルと勤務先は関係ありません

突然の子会社への出向で唇を嚙む日々

 今年5月、大手企業に勤める小林泰明さん(仮名・52歳)の職場は、都心のきらびやかな本社オフィスから窓ひとつない倉庫へと変わった。 「本社が一部業務を子会社へ移管するのに伴って出向という形です。肩を叩かれたのは突然で、何の前触れもありませんでした。まず先輩の60歳の社員が課長に呼ばれて、個室で何やら話し込んでいたと思ったら、次は自分の番。52歳の自分が60歳の同僚と同じ扱いを受けたことがショックでした」  小林さんは30代から子会社を渡り歩き、本社に戻ってきたばかり。ようやくひと安心で逃げ切れると思った直後の残酷な人事だった。 「最初は課長が何を言っているのか、まったくわかりませんでした。なぜ自分なのかと聞いても、要領を得ない返答に終始。きっと戻ってきたばかりの自分が、肩を叩きやすかっただけだと思います。悔しいけれど、そこで文句を言っても無駄なことは、私も30年以上会社員をやってきたのでわかります。ただ、このタイミングでの出向は100%片道切符。希望から絶望へと突き落とされました」  今の職場は50代の社員が5人で、残りは派遣のスタッフと外国人労働者だけ。出向から3か月たつが、歓迎会はいまだに開かれていない。 「妻子が寝静まってから飲む独り酒が、唯一の癒やしの時間です」  小林さんは、かつての栄光を懐かしむように都心のオフィスを眺めながら話す。 「収入もさっそく今年の冬のボーナスからがっつり削られるでしょうね。今はまだ年収750万円ほどですが、1、2年後には500万円が御の字。ただ、300人いた同期が今は半分以下ということを考えると、まだ居場所があるだけマシなのかもしれません」  そう独り言のように呟いた。 逃げ切れない50代の末路
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