結婚式という幸せな行事は、新婚のふたりだけでなく、それを見守るゲストたちの気持ちも上向きにしてくれる。友人たちの幸せな門出を見ていると、独身といえど結婚へのモチベーションも上がったりするものだ。
写真はイメージ(以下同じ)
そんなこともあり、結婚式の二次会といえば、未婚の男女にとっては恰好の出会いの場としても機能する。結婚へのモチベーションが上がっていて、かつお酒も入った状態での出会いは、運命的な展開も生みやすいといえるのだ。
結婚式の二次会が恋愛が生まれやすい理由
そんな結婚式・二次会恋愛を体験したのは、新郎側の友人として式に参加した二宮幾人さん(仮名・29歳)。独身の彼も、やはり親友の結婚式では結婚に憧れを持ったという。
「大学の友人の結婚式でしたが、新婦も知り合いだったためより感慨深かったように感じます。仕事も忙しく、普段は恋愛している時間がない、そんな風に考えてしまうことも多かったけど、やっぱりその日はすごく“結婚っていいなあ、俺もしたいなあ”と思いました」
結婚式に参加するゲストは全員が新郎新婦のどちらかの友人。今まで見たことがなかった友人の異性の前での表情や、泣きながら読まれる家族でのお礼の手紙。こういったものを見て、感動的だと思わない人は少ないのではないだろうか。
「そんな風に思っている時だったので、二次会のゲームでたまたま一緒のチームになった女性に一目惚れしてしまったのでした。新婦側の友人という安心感も僕の背中を後押ししました」
結婚式に来るゲストはみな、新郎新婦の友人関係にフィルタリングされているので、出会い方としては安心感がある。このようなことから、友人の結婚式という場は良質な出会いの場ともなり得るのである。が、それは女性目線から見ると…?
二宮さんは二次会で一目惚れした女性と、すぐに距離を詰めていった。
「気持ちが結婚や恋愛に向いているタイミングだったので、僕はすぐ彼女にアタックし始めました。そしてめでたく、1回目のデートで付き合うことになり、気持ちの高ぶった僕たちはその日のうちにホテルに行きました。しかし、それが悲劇の始まりだったんです。付き合って3か月ほど経った頃、彼女に“
話がある”と言って呼び出された僕は、衝撃の事実を知ることになるのです。彼女が静かに見せてきたのは、妊娠検査薬でした。しかも陽性です」
“
あなたとの子供ができたの”
当然、二宮さんは焦ったと話す。
「そんなはずない、と僕は猛反論しました。だって毎回しっかりと避妊をしていたんですから。なので僕はまず、彼女の浮気を疑いました。そうやって彼女を攻め始めた時に、彼女はこう言ってきました。“私がゴム破いたの。だから浮気はしてないし、これは絶対あなたとの子”です…と」
話を聞いているだけで、背筋が凍るような一言である。
「正直、ドン引きですよ。付き合って3か月くらいで、子供ができたと言われて、しかもゴムを破いて、だなんて。気づかなかった僕もバカでした。後々、申し訳ないと思いながら友人である新婦にそのことを相談してみると、新婦から見てもその子は“
早婚願望の強い子”だったようです」
結婚式は良質な出会いの場。そう考えるのは男性だけでなく、もちろん女性もだ。
「もしかしたら彼女も、僕がコミュニティ内の人間だからということもあって、子供さえ作ってしまえば僕はもう彼女と結婚せざるを得ない、と考えたのかもしれません」
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携ったのち、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。
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