更新日:2023年04月25日 00:25
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“あおり運転”した43歳の告白。有名大卒、大手メーカー就職も…なぜ暴走?

中高年は暴走の火種を誰もが持っている

 前出の藤原氏は、木野さんのように暴走する火種を、現代の中高年が持ちやすいと分析する。 「例えば昨今注目される中高年の引きこもりも、年齢を重ねるほど閉塞感が強まり問題行動に繋がる人もいる。また親の介護問題に直撃される世代で、介護を理由に会社を辞めざるを得ない人が増え、長年勤めた職場でもリストラや長時間残業パワハラなどで、精神に支障をきたし休職……という背景もある。  そして、なかなか社会復帰できずに孤立感を強めた結果、『自分は社会から必要とされていない』と感じてしまう。世間との断絶も、彼らの一部を暴走に走らせる要因のひとつでしょうね」  暴走を止めるのは社会との繋がり。居場所は確保しておきたい。 <木野隆太さんの漂流年表> 22歳 就職氷河期を経て就職 33歳 過労で倒れ退職。鍼灸師の学校に通学 35歳 整体院に勤めるも退職を繰り返す 41歳 自身の整体院を開業 43歳 スピード違反 43歳 信号無視、スピード違反 【藤原宏美氏】 ニートや引きこもりの訪問支援を行うトカネット代表。現在は彼らが互いを語り合える「希望の会」を主宰。著書に『独身・無職者のリアル』(共著)など <取材・文/アケミン 塩野芽衣子 高島昌俊 千葉こころ ツマミ具衣 沼澤典史(清談社) 松嶋三郎 撮影/野中ツトム(清談社) 長谷英史>
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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