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「自衛官候補生」の初任給が安すぎる…。働き方改革とは程遠い給与実態

臨時国会で防衛省給与法改正案が提出される?

 やっとこの自衛官の賃金改革が始まったようです。10月11日の閣議で、自衛官の初任給を2020年度から引き上げるための防衛省職員給与法改正案が決定しました。任期制の自衛官候補生は月額8600円増の14万2100円、定年まで雇用する一般曹候補生は同9300円増の17万9200円とするとのことです。まだまだ足りませんが、まったく賃金が上がらないよりはマシです。この法律案の早期成立を心から応援したいと思います。  安倍政権は「働き方改革」を掲げ、労働者の待遇の是正に取り組んでいます。その言葉が真実なら、まず、国の国防や災害対処の最後の砦である自衛官の処遇を改めるべきではないかと思います。もっとも重要な国の支えとなる人達への処遇がこのままではあまりに情けないです。  非常時に自衛隊が就業時間内労働で済ませられないことは仕方ないと思いますが、平時でもタイムカードすらないのでは勤務時間数を証明する手立てがありません。だからこそ、そんなことを言わなくてもいいくらいに充分な報酬を出すべきでしょう。  自衛官は若いうちは営内に勤務する人が多く、その分、住宅費や食費が安くつきます。不自由な生活を強いられて、さまざまな自由を制限されている分お金を使わないで済みます。  でも、羨ましくないですよねー。ずっと結婚せず営内で生活するなら、この自衛官の賃金でもやっていけますがそれではダメです。自衛官も同じ日本人です。ご両親の愛に育まれ、小学校に入学し、大人になったときを夢見て成長したはずです。自衛官にも家族を持ち、生活を楽しみ、穏やかに老後を安心して過ごす権利はあります。そのために十分な報酬が必要です。防衛省給与法改正はぜひ、この国会で成立してほしいと応援します!
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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