更新日:2023年04月25日 00:32
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未承認国家にアフリカや東アジアも。車椅子やサラリーマンをしながら世界一周する男たち<乙武洋匡×東松寛文対談 第2回>

インド人とパキスタン人が熱い握手

東松:「最高っすね。僕はモルドバのなかに、沿ドニエストル共和国ってのがあって、そこに今年行きました。そこの国境を越えるドキドキ感。未承認国家に入るのが、めっちゃ楽しかったですね」 乙武:「僕は9月に、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、ルーマニア、ブルガリア、セルビアと回った。最初モルドバに何しに行くんだろうって思ったけど、僕ワインが好きで。モルドバにはギネス認定されている世界一広いワイナリーがあって、そこを予約しちゃいました」 東松:「いいですね。僕も乙武さんと一緒で、『点数稼いでるだけじゃん』って言われるんですよ。違うと。何もしらないゼロの国と、50ぐらい知ってる国だと、ゼロのほうが知らないことたくさんある。それを目で見てたしかめたいだけなんですよ」 乙武:「いやあ、まったく同じですね」 東松:「今年のゴールデンウィークにはインドとパキスタンに行ったんですけど、国境で毎日国境閉門のパレードをやっていて、両軍が集まってくるんです。門の周りに数千人のインド人とパキスタン人が集まるけど、喧嘩するわけじゃなくて応援合戦をするんですよ。それで最後に両国ともすごく仲が悪いのに、がっちり握手して終わるっていう。  ニュースだけ見てると、インドが空爆するぐらい仲悪いけど、そこだけ見るとハッピーな感じ。それも行って見て空気を味わわないとわからない」

アジア人と同じようにアフリカ人も全然違う

乙武:「アフリカでは、これまで行ったことあったのが、モロッコとチュニジアというイスラム教圏、あとは南アフリカの3か国だけだったんです。いわゆる僕らがアフリカとイメージするアフリカには行ったことなかった。『ただいま、日本』で書いている旅では、東はケニアとルワンダ、西はナイジェリアとガーナに行ったんです。これも行ってみると全然違うんですよね。  東は顔立ちがほっそりしていて、考え方も慎重で知的な印象。西はとにかくエネルギッシュで、肌の色も東に比べると濃い印象。ヨーロッパの人が日本人、韓国人、中国人の見わけがつかないって言うのに対して、全然違うよと思うのと同じか、それ以上に違いがあった。行ってみないと口で言われてもわかんないですよね」 東松:「僕も’17年の年末年始に、西から始めてモロッコ、シエラレオネ、ガーナ、コートジボワール、ベナン、ケニア、ルワンダに行ったけど、西のほうは民族衣装を着ていたりする。ルワンダはすごい発展していて、かつ、治安もとてもいいので天国みたいでしたね」 乙武:「ルワンダは25年前に大虐殺があって多くの日本人のイメージがそこで止まっているけど、行ってみるともう女性が夜歩いていても大丈夫なぐらい安全で発展している。大げさに言えば日本人がまだちょんまげしていると思われるのと一緒ですよね。それぐらい、実際に行ってたしかめることは大事だなと」 <取材・文/日刊SPA!編集部 撮影/荒熊流星> 【乙武洋匡】 ‘76年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』がベストセラーに。卒業後はスポーツライターや、小学校教諭としても幅広く活躍。『ただいま、日本 世界一周、放浪の旅へ。37か国を回って見えたこと』が発売中 【東松寛文】 ‘87年、岐阜県生まれ。平日は広告代理店に勤務、週末は世界を旅する「リーマントラベラー」。主な著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』『人生の中心が仕事から自分に変わる! 休み方改革』など
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