更新日:2024年06月10日 16:51
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「こども110番の家」はホントに安全? 我が子を犯罪から守るために親が教えるべきこと

「危ない人」でなく「危ない景色」を教える

――子供が騙されないためには、どうすればいいのでしょうか。 小宮:子供は容易に犯人に騙されます。子供を絶対に騙さないものは、景色です。景色は嘘をつきません。人を見て判断するのではなく、景色を見て危ないかどうか判断する訓練をするべきです。「入りやすい/見えにくい」という2つの基準で区別するのが一般的です。親は子供を実際に危険な場所に連れて行くなどして、子供に「危ない景色」を覚えさせるのが有効ですね。  これから犯罪をする人かどうかなんて、見ただけではわかりません。そもそも、「不審者」という言葉を使っているのは日本くらいです。子供に不審者というような曖昧な基準を教えてしまうせいで、一見まともに見えるような犯人についていってしまうんです。 ――初老の男性が公園で休憩していただけで、母親集団に不審者として通報されたという騒動もありました。 小宮:「知らない人は怪しい」「話すな」ということを教え込まれることで、ますます子供の対人能力は低下します。その結果として騙されやすくなるという、悪循環が生じています。  子供が犯人の外見や言葉から危険性を判断するのは不可能に近いです。まず、「入りやすい/見えにくい」場所に行かない。行くとしても2人以上で行くこと。どうしても1人で行く場合は、その場所で現れる人は警戒すること。危険な状況に陥ったなら、必ず近くの家・店・人に助けを求めること。子供に対しては、これらを徹底するべきです。 ==== 「子供を犯罪から守る」ために設置されたこども110番の家が、抑止力として今までに果たしてきた役割は小さくないだろう。しかし、子供の防犯のための本質的な解決策かと問われると、首をかしげざるを得ない。「子供を犯罪から守る」よりも、「大人に安心感を与える」ことを重視したシステムになってはいないだろうか。<取材・文 ミノワ>
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