▼小沢一敬のベスト3 1『岸辺露伴は動かない』荒木飛呂彦 『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場する岸辺露伴の物語。もともと短編集『死刑執行中脱獄進行中』の1編だったが、後にシリーズ化。’11年にグッチ設立90周年を記念してSPURに掲載された「岸辺露伴 グッチへ行く」も収録 2『生徒諸君！外伝 沖田成利編』庄司陽子 本編で沖田が死んで1年、墓参りに大阪を訪れたナッキーたちは、沖田の父から彼の子供時代の話を聞く。幼くして母をガンで亡くし、仕事で忙しい父に迷惑をかけまいと、一人で強く生きようとする孤独な少年・沖田の物語 3『闘将!! 拉麺男』ゆでたまご 『キン肉マン』のラーメンマンが主役。馬賊に親を殺され、自身も瀕死の重傷を負った少年は、超人拳法の達人・陳老師にその命を救われた。やがて少年は、「超人一○二芸」を習得、その名を「美来斗利偉・拉麺男（ビクトリー・ラーメンマン）」と改める ▼真実一郎のベスト3 1『中間管理録トネガワ』原作：萩原天晴／漫画：橋本智広・三好智樹／協力：福本伸行 『賭博黙示録カイジ』に登場する帝愛の幹部が主人公。会長・兵藤の命で、債務者による「死のゲーム」の企画を任された利根川は、部下の黒服を集め、企画会議を始めるが……。会長と黒服の間で苦悩する利根川をコミカルに描く 2『騎士団長 島耕作』原案：弘兼憲史／漫画：宮本福助／シナリオ：別府マコト 島耕作スピンオフの中でも最大の問題作。ファーストターフ王国の騎士・シマ。ある日、御前試合中に頭を打ち、前世の記憶を思い出す。スライムは大町久美子!? シマはサラリーマン時代の記憶を頼りに、異世界を生き抜く 3『中春こまわり君』山上たつひこ ’70年代の大ヒットギャグ漫画『がきデカ』の20数年後の世界。大人になった「こまわり君」こと山田こまわりは、些細で現実的な人生の問題に遭遇していく。『がきデカ』の世界観をベースに、哀愁たっぷりの人生模様が展開 【スピードワゴン・小沢一敬氏】 ’73年、愛知県生まれ。芸人界随一の漫画通で、自身のYouTubeチャンネルには漫画トーク多数。著書に『夜が小沢をそそのかす』（文藝春秋） 【真実一郎氏】 サラリーマン兼ライター、サラリーマン漫画研究家。本誌で漫画コラムを連載。著書『サラリーマン漫画の戦後史』改訂版がKindleで発売中 取材・文／前田隆弘　撮影／加藤 岳