仕事

リストラ回避策の第一歩。会社に「いらない」と言われたら…どうする?

「戦力外扱い」からのミドル転職は可能なのか?

 会社に残るのではなく、見切りをつけて去る。その選択をした場合はどうか。現在、大企業では希望退職者向けに「再就職支援会社」を使うことが多いという。平康氏が話す。 「再就職支援会社とは、主にリストラ対象者向けに転職先を紹介したりセカンドキャリア形成をサポートする会社です。リクルートやパソナなどが専門の会社をつくって法人向けサービスとして展開しています。再就職希望者は職安に通うようにそれらの会社に行き、求人に応募するといった流れです。要はすぐに退職という形をとらずに、会社に籍を置いたまま公認で転職活動をする形ですね。その間は半年~1年など期限付きで所属先から給与が支払われます」  大企業ならではの手厚いケアのように思えるが、「もし期限内に転職先が決まらなくても、そのまま退職になる」そうで、裏を返せばゆるやかなリストラとも言える。  とはいえ、実際に転職成功率は上がるのだろうか? 「正式な数字は出ていませんが、関係者の話では一般的な転職活動よりも少し上がるというのは聞いています。でも再就職を支援するのは免罪符みたいなもので、実際には所属先の企業からすれば『そこまでやっても再就職できなかったんだから、バイバイでも仕方ないよね』というメッセージです」  ただ、再就職支援会社に依頼する場合、多くは1人当たり数十万円の報酬が依頼企業から支払われるので、「そんなコストがかけられない中小企業ではあっさりクビになり、結局は自分で探すしかない」。  では、「戦力外」からのミドル転職を成功させるにはどうすればいいか。キャリアコンサルタントとしてこれまで1万人以上を担当してきたキープレイヤーズ代表の高野秀敏氏は「狙い目は営業ですね。なかでも、サブスクやSaaSなどの成長中のウェブサービスを扱う会社に飛び込むといい」と話す。 「今は営業希望の転職者は年々減少傾向なので、チャンスが広がっています。それにサブスクやSaaS系のサービスはあまり値段が高くないものが多いので、システムを理解すれば、一昔前の営業を経験した人にとって『そこまで難しくない商材だな』となることも多いんです。前職をリストラされていようが、モノを売れる人の需要は変わりません」
OVER45リストラ回避術

高野秀敏氏

 また、もう一つ“穴場”になりそうな転職先が、運送業だという。 「昔からリストラされた人の転職先と言えばタクシー運転手などでしたが、むしろ今は人気職業です。普通に働けば会社員の年収以上に稼げる会社も多いし、業務中はわずらわしい人間関係から解放されるのがいいとか。タクシードライバー専門の転職サービスには希望者が殺到しています。これからどんどん需要が増える業種ですから、まず食いっぱぐれないでしょう」
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「いらない」と言われても会社に残る? それとも去る?
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