東京五輪の有明体操競技場はコストカット優先で快適さゼロ…観戦時の注意点は?
~第75回~
フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。
今回は競技会場の視察です。先日オープンした有明体操競技場。五輪の体操をはじめ、当連載でも穴場競技のひとつとしてチケット販売開始を前にオススメにひとつに挙げましたトランポリン種目も行なわれる会場です。報道などでは「木製の椅子でお尻が痛い」と評されたこの会場、はたして実際の使い勝手はどんなものなのか見てまいりました。
ビッグサイトや有明コロシアムからも近く、東京五輪・パラリンピックでも大いに盛り上がる地域に立つ同会場。最寄駅である臨海線ゆりかもめ「有明テニスの森」を降りると、取り立てて何もない開けた土地に有明体操競技場は見えてきます。建物の向こうにはオープンを待つ、東京五輪バレーボール会場となる有明アリーナの姿も。 木の格子を組み合わせたかのような外壁部分と屋根は、見た目にも美しく、とても特徴的です。同じく先頃オープンした新国立競技場は鉄筋コンクリートの躯体に飾りとして木材を貼りつけたものでしたが、コチラは建物の構造部分にも木材を使用しています。世界最大規模となる88メートルのアーチ状の梁で支える大屋根は、文字通りの「木造建築」。木の魅力が存分に活かされた物件となっています。 その「木造の魅力」が強めに発揮されたのが、例の木造ベンチです。実際に座ってみると確かに固い。いや固いとか柔らかいとか以前に、ただの木の板ですので、座り心地はまさに公園のベンチです。しかも公園のベンチと違って、背もたれは非常に低く約20センチと、寄りかかることができない程度の高さです。角ばった板がちょうど腰の柔らかい部分に刺さり、ずっと座っているのは辛いかもしれません。 左右の間隔も40センチほどと若干狭め。隣の席との区切りには、30センチ定規のような細い板切れが貼ってあるだけなので、サイズ大き目の方に挟まれると自分の座席部分も圧迫されそうなほど。ひじ掛けやドリンクホルダー、座席下の荷物置き場等もありませんので、本当にただ木の板に座るだけという作りです。視察に訪れた日は客入りも少なかったので、2席ぶんほどをひとりで使って、背もたれに腕を乗せることで体重を逃がすことができましたが、満員になった際はじっと我慢の観戦となることでしょう。木製の座席「お尻が痛い」五輪会場・有明体操競技場、木のぬくもり好評も観客ため息 https://t.co/33sTTNAsUV
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) November 28, 2019
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