更新日:2023年05月18日 16:49
デジタル

キャッシュレスで借金地獄の可能性。後払いサービスの落とし穴

日常の無駄遣いが巨額負債に?

お金 やや飛躍した表現で恐縮だが、現代に生きるヒトであれば誰しもがクレジットカードを、しかも審査不要で入手できる時代が到来しかけているということだ。Alipayの場合は個人に対して信用スコアを設定している。要はその人の返済能力を数値化する仕組みだが、これがあれば新しい融資を申請する際の審査を簡略化(または完全省略)することができる。  だが事前の信用スコアはどうあれ、中には借金を返せない人も出てくる。しかもそれは、自分の所得額を超えた大型の買い物をしてしまった結果……ではなく、日常の「数百~数千円の散財」が積もり積もって大きな負債になるというパターンも考えられる。  スマホで手軽に決済ができるからこその落とし穴とも言えるが、従来の審査ではサブプライム(低信用)と見なされた人に融資枠を与えるという現象も当然ながら発生する。

知らぬ間に消費者金融を利用してしまう!?

 PayPayを始めとした日本のキャッシュレス決済アプリにオンライン融資機能が実装されるのは、もはや時間の問題だ。キャッシュレス決済自体が社会インフラとなる中、ユーザーは自分が今利用しているアプリの機能や仕組みについて、最低限のことは知っておく必要がある。でなければ「自覚のないうちに消費者金融機能を使っていた」ということも起こり得る。  スーパーアプリの後払い機能を「消費者金融」と表現すると、反発する人が出てくるかもしれない。だが、「後払い」とは借金以外の何ものでもない。支払いが遅れれば遅延損害金も発生するし、利息も加算されていく。クレジットカードがカードレスになったに過ぎない。それを理解しなければ、スーパーアプリの手軽さや利便性に振り回されて思わぬ負債を抱えてしまう可能性もある。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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