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被災鉄道の復旧が進まない理由

世界に誇る日本の鉄道網も東日本大震災によって壊滅的な打撃を受けた。人や物資を運ぶライフライン=鉄道だが、いまだ復旧さえおぼつかない地域も多数残されている。被災地の鉄道復旧はなぜ遅れているのか。その要因を現地で探った。

「被災した鉄道は、すべて責任を持って復旧するつもりだ――」

 JR東日本の清野社長は、震災後の記者会見でこう明言した。あれから約1年。現時点で約300kmの沿岸を走るJR東日本の路線はいまだ不通のままだ(三陸鉄道は約70kmが不通だが’14年4月の完全復旧を表明)。常磐線の亘理~相馬など一部区間は年度内に運転再開の見通しとなっているが、大半の区間では、運転再開どころか復旧工事の目途すら立っていない。

 一体なぜ、鉄路復旧が遅々として進まないのか。国土交通省東北運輸局の幹部は話す。

「そもそも被害の規模も範囲も大きすぎました。これが第一の要因。駅や線路どころか、街そのものが津波で流されてしまった場所が多い。そうした状況では、単に鉄道だけ復旧すればいいという問題ではありません。街が高台に移転するならば、鉄道も移転する必要がある。こうした調整が思うように進んでいないんです」

 被災した街の再建計画あってこその鉄道路線復旧の道筋なのだ。特に、鉄道は複数の自治体にまたがって走るため、それぞれの再建計画との調整も必要となってくる。

 さらに別の問題もある。

「基本的に、被害が大きかった区間は内陸に移転する方向。現ルートでの復旧は、再び津波に襲われるリスクがある。安全性が確保できないルートでの復旧は、JR側にとっても難しいでしょう」

 ならば、速やかに内陸移転で話を進めれば……というところだが、それでも壁はある。
「住民の合意です。住み慣れた土地から移転を強いられることになる住民たちからは、必ず不満があがる。それをどう解決するのかが、大きな課題なんです」

― [被災鉄道]復旧への遠い道のり【1】 ―




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