新型コロナ流行で…タイに住む日本人が感じる差別。顔を見るなり宿泊拒否も
新型コロナウイルスの拡大が世界に広がる中、海外に住むアジア人への差別が懸念されている。パリ郊外の日本食レストランでは「出ていけ、ウイルス」という落書きが発見されるという報道があったり、日本が感染源国だという批判も受けている。
「バンコクの日本人街のタニヤなどの繁華街で直接感じたというわけではないのですが、遠回しに警戒されているのかな、という様子はありますね。先日、僕の友人が日本から仕事で来ることになったので民泊サイトで宿を予約したのですが、直前になって断られたという話を聞きました。他にはレストランに入る時に入口で『中国人か?』『なんでマスクをしていないんだ』と、言われた友人も。
僕も見た目があまり日本人ぽくないと言われるので、以前からタイ人に『ニーハオ』と声をかけられていたのですが、今では夜の飲み屋やゴーゴーバーに入るとかなり警戒した様子で遠巻きに見られるようになりましたね……。日本人と分かった瞬間、ドリンクをたかりに来るのですが(笑)、もし僕が中国人だったらどうなっているんだろうと……と考えてしまいますね」
また、最近は中国人観光客が激減したというが、その代わりバンコクの繁華街は日本人でごった返しているという。
「正直、在タイ日本人も新型肺炎が流行してからは開き直っているのでは……という印象も。日本人って自分の身に起きていないことをあれこれ心配する癖があるのですが、実際に危険が身近に訪れると諦める……という、国民性だそうなんですよ。予測しない不安に対する備えはするので、日本の保険会社は儲かるという仕組みになっているのですが。
今回のように日本国内での感染者が増えすぎると諦めて開き直るんですかね。バンコクの代表的な歓楽街でもあるナナプラザでは、今では日本人客が7~8割を埋め尽くしている。それも皆、マスクもしないで。でも、夜の店の女の子からしたらマスクもしないで繁華街をウロつかれるたら勘ぐるじゃないですか。
それにバンコクは元々、排気ガスで空気がすごく悪いんです。特に今の時期はPM2.5がかなり飛んでいるのに……。そんな日本人を見ていると正直……と思いますよね」
男性は現在、そんな状態のバンコクを離れて東南に165km離れたビーチリゾートのパタヤで過ごしているという。新型肺炎の流行が収束するまでしばらくいるというが、パタヤの様子はどうなのだろうか。
「以前は中国人観光客だらけでしたが、今はすっかり見ません。今回、パタヤに着いてホテルを探しているときに安いホテルがあったのですが、顔を入るなり『部屋が空いていない』と断られました。正直、全然キレイともいえないしどう考えても空室はありそうでしたが、やはりアジア人だから……という理由で断られたのかもしれませんね。
また、パタヤの飲み屋は今はどこもガラガラ。先日、パタヤ1番の繁華街のウォーキングストリートに飲みに行ったのですが、客が僕1人しかいませんでした。女の子にドリンクをたかられまくってバービア、ゴーゴーバーをハシゴして1日で1万バーツ(約35000円※現在)も使っちゃいましたよ……。
4月になるとタイの正月になるので日本人駐在員は毎年日本に帰るんですが、今年はこんな状況だから皆、タイに残りそうです。下手に風邪とかひいて隔離なんかされたら、タイに戻ってこれなくなっちゃうだろうし。今年のパタヤのソンクラーン(タイの正月に行われる水かけ祭り)は日本人だらけになりそうですね」
海外在留邦人がアジアでは中国の次に多いといわれているタイ。2018年の調査によるとおよそ7万人以上の日本人が暮らしているというが、そのタイでコロナウイルスが流行しているいま、「差別を感じるかも」と話すのは、タイに10年以上住んでいるという日本人男性。今回の新型肺炎の流行によって、日本人がタイで差別や偏見では?と感じたことを聞いてみた。【#新型コロナウイルス 関連肺炎について】
— 厚生労働省 (@MHLWitter) February 10, 2020
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日本人がマスクもしないで歓楽街に…
顔を見るなり「部屋は空いていない」
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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