スポーツ

城島健司が福岡ソフトバンクホークスに電撃復帰。8年の沈黙を破って胸中をすべて明かした

聞き慣れない肩書に込められた“役割”

――今回、「球団会長付特別アドバイザー」という聞き慣れない役職での復帰ですが、王さんから提示されたときに具体的なイメージは湧きましたか? 城島:湧きません。今でも湧きませんよ(笑)。なので「僕、何したらいいんですか?」という話からの出発です。ただし、コーチと違って選手に技術を教えることはないので、どちらかというとフロント側なんですよね。僕がプロに入った25年前、春季キャンプには本当に数えるほどしかファンがいませんでした。でも今はこんなにファンの方々に足を運んでもらえている。  これって王さんがつくり上げてきたものだと思うんですよ。以前は練習中に選手がサインしていたらコーチから「そんな暇があったら早よ来い!」って言われたりしていた時代でした。それが、王さんが監督に就任すると「キャンプ中は積極的にサインをしなさい」「各自で野球教室に行きなさい」「地元を大事にしなさい」と選手たちに口酸っぱく言って、その積み重ねで今があります。  でも今の選手はこれが当たり前で、ここまでの過程を知らないわけです。現状にあぐらをかいてファンへの対応をおざなりにしていたら、10年後、20年後にまた元の状態に戻ってしまう。だからこそ、王さんが僕たちに言った言葉や積み上げてきたものを「俺たちはこういうふうにやってきたんだよ」と今の選手に伝えたいと思います。その役割が僕の仕事なのかなと。 ※3/10発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【Kenji Johjima】 ’76年、長崎県佐世保市出身。別府大学付属高等学校にて捕手に転向し、’95年ドラフト1位で福岡ダイエーホークスに入団。シアトル・マリナーズ、阪神タイガースでも活躍したのち、’12年を最後に現役引退。今季からホークスの球団会長付特別アドバイザーを務める 取材・文/松永多佳倫 撮影/梅﨑隆廣 写真/毎日新聞社/アフロ ロイター/アフロ
1968年生まれ。岐阜県出身。琉球大学卒。出版社勤務を経て2009年8月より沖縄在住。最新刊は『92歳、広岡達朗の正体』。著書に『確執と信念 スジを通した男たち』(扶桑社)、『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(KADOKAWA)、『まかちょーけ 興南 甲子園優勝春夏連覇のその後』、『偏差値70の甲子園 ―僕たちは文武両道で東大を目指す―』、映画化にもなった『沖縄を変えた男 栽弘義 ―高校野球に捧げた生涯』、『偏差値70からの甲子園 ―僕たちは野球も学業も頂点を目指す―』、(ともに集英社文庫)、『善と悪 江夏豊ラストメッセージ』、『最後の黄金世代 遠藤保仁』、『史上最速の甲子園 創志学園野球部の奇跡』『沖縄のおさんぽ』(ともにKADOKAWA)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α文庫)、『永遠の一球 ―甲子園優勝投手のその後―』(河出書房新社)などがある。

92歳、広岡達朗の正体92歳、広岡達朗の正体

嫌われた“球界の最長老”が遺したかったものとは――。


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昭和のプロ野球界を彩った男たちの“信念”と“生き様”を追った渾身の1冊

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週刊SPA!3/17号(3/10発売)

表紙の人/ 藤田ニコル

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