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芸人エハラマサヒロは一家総出でYouTuber。月収は「会社員の平均月収くらい」

 長年、マイナス成長が続く日本に、追い打ちをかけるようにやってきた「コロナショック」。もはや、何の手も打たず、単身で生活資金を稼ぎ続けるのは無理がある状況になりつつある。  そんな中、注目されているのが、「副業も夫婦や家族で協力して稼ぐ人たち」の存在だ。一家団結で困難な時代を生き抜く、令和時代の新たな稼ぎ方に迫る。

「4人の子供」と「芸人パパ」の掛け合わせ戦略

 もはや飽和状態になりつつあるとされるYouTuberの世界だが、昨今では「家族総出で出演・製作」といった事例も珍しくない。その中でも、この1年弱で急上昇しているのが吉本所属のお笑い芸人・エハラマサヒロ氏の「エハラ家チャンネル」だ。  動画の内容は子どもたちによる朝食づくりの様子や家族へのサプライズなどをホームビデオのように撮ったものがメイン。ただし、動画の中での主人公はエハラ氏というよりも4人の子供たち(3姉妹+末っ子長男)だ。家族の日常の様子や、子どもたちとエハラ夫妻の楽しいやりとりが、このチャンネルの最大の魅力となっている。 「子どもたちは小さい頃からYouTubeに慣れ親しんでいたので、YouTuberの真似で商品紹介みたいなことを家でやってたんですよ。それで、僕も以前から“面白そうやし、やってみたいなぁ”と思ってたので、妻や娘とも話し合って、“じゃあ家族みんなでやってみる?”といった感じで始めました」  とはいえ、芸能人YouTuberが群雄割拠する時代。何の戦略もなしでは、視聴数が伸び悩んでいくことも多い。対してエハラ氏は「勝算を見込んでチャンネルを始めた」という。 「正直、僕自身は芸人として、そんなに強くないと思ってるんです。ただ、4人も子供がいる家庭というのは、今のご時世なかなかいない。そんな家族の生活に興味がある人たちもいるんじゃないかと。他のチャンネルのコメントを読んでいても“他人の暮らしぶりを見るだけで楽しい”という人たちが一定層いるんですよね」  そこにエハラ氏のお笑い要素を組み合わせることで多チャンネルとの差別化ができると見込んだ。 「割合としては“ほっこり8割・笑い2割”みたいなチャンネルが作れたら、そのジャンルでは勝てるんじゃないかと思ってました。“4人子供がいる”というのと、“お笑い芸人である”っていうことの“掛け合わせ”です。これなら、ほかとは違う面白いものが作れるかもしれないと思ったんです」  始めてから1年も経たないがYouTubeでの月収は「サラリーマンの平均月収くらい」という。それだけの収入がありながら、エハラ氏はYouTubeを「仕事というほどではない」という。 「一番は家族の思い出作りです。家族が楽しくないと稼げても仕方がないですから」  もちろんそれだけでは収益を上げるのは難しい。エハラ氏は戦略を練るのが「個人的な趣味として楽しい」と述べる。 「ネタや曲を作るときも、どういう反応されたら楽しいとか考えるじゃないですか。次はこういう恋愛ソングにしようとか、この層を取り込んでみようとか。そういうのと一緒。だから普通にホームビデオなんですけど、“こうやったら家族も視聴者も更に楽しんでくれるんじゃないか”と考える。それが数字として反映されてお金になれば、それはそれで嬉しいし、モチベーションも上がる。だから仕事というほどの意識はないですね」
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家族でYouTubeは収入面だけではないメリットも
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