2020年春ドラマ、テレビマンが本当に勧めるのは? 『半沢直樹』には不安要素も…
1月クールドラマでは『恋はつづくよどこまでも』『テセウスの船』(いずれもTBS系)といった下馬評がそこまで高くなかった作品がSNSをきっかけに大きな注目を集めた一方で、期待された『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系)などはやや伸び悩む結果となった。
それでは4月から放送予定の春ドラマ(『半沢直樹』など、新型コロナウイルスの影響で一部放送延期を発表)のどんな作品が名を連ねているのか? そして注目作は何なのか? テレビドラマ業界の関係者たちに「本当に勧めたい作品」を聞いてみた。
最大の注目点は、大ヒット作品の続編がズラリと並ぶことだろう。数々の名シーンを生み出し、最終回には驚異の視聴率42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出した『半沢直樹』(TBS系、日曜午後9時~)、篠原涼子演じる“スーパー派遣社員”が働き方を問い正す『ハケンの品格』(日本テレビ系、水曜午後10時~)、織田裕二と中島裕翔のコンビに注目が集まる『SUITS/スーツ2』(フジ系、月曜午後9時~)のほか、木村拓哉主演の『BG ~身辺警護人~』(テレビ朝日系、木曜午後9時~)や『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系、金曜午後11:15~)など、各局で話題だったドラマの続編が放送されるのだ。
そんな中で、まずはプロデューサー陣に4月クールドラマのおススメ作品を聞いてみた。キー局で多くのドラマなどを手掛けてきた40代プロデューサーA氏はこう語る。
「TBSが過去に例を見ないほど力を入れている『半沢直樹』でしょう。前枠の『テセウスの船』が重厚でありながら考察系ドラマとしてヒットしたイイ流れもありますし、主演の堺雅人さん、香川照之さんや片岡愛之助さんなどほとんどのキャストが続投も決まり、かなりの視聴率を期待できるのではないでしょうか? 唯一の不安要素は、脚本が八津弘幸さんから丑尾健太郎さんに代わったこと。丑尾さんも非常に力をつけてきている人気作家ですが、とある別作品では3、4話以降の中だるみが危惧されていたこともあった。八津さんのようなパンチ力のある脚本になれば安心なのですが……」
A氏に、他の注目作についても聞いてみた。
続いて、制作会社の若手プロデューサーは、こんな作品をおススメ作に挙げてくれた。
「春クールはバディもののドラマが多いのですが、綾野剛さんと星野源さんが刑事部・機動捜査隊を舞台にバディを組む『MIU404』(TBS系、金曜午後10時~)に注目しています。名実ともにナンバー1作家になりつつある野木亜紀子さんのオリジナル作品なので、キャッチーさと社会性を巧みに織り交ぜたストーリーになるでしょうし、綾野さんと星野さんの“ギャップ萌え”的なセリフも狙って書いてくれそうなのでそこも楽しみ。“機動捜査隊”という舞台設定に日本の視聴者がどこまでのめりこめるかがカギになるのかな……とは思いますけど」
また医療系ドラマが乱立したことも話題に挙がったが、こちらはどの作品も及第点の数字を残した。
“社会現象”を生んだあのドラマが続々と復活
盤石すぎる『半沢直樹』の唯一の不安要素とは?
「石原さとみさんが主演を務める病院薬剤師が奮闘する『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジ系、木曜午後10時~)ですね。田中圭さんや西野七瀬さんといった人気者をそろえていることばかりが注目を浴びていますが、ヒューマンドラマとして見ごたえがあるモノになっていると聞いています。原作コミックでは、普段目立たたない薬剤師という職業の葛藤や人間関係をうまく描かれているので、そのあたりをドラマでさらに掘り下げていってもらいたい。次回を見たくなるような演出や展開次第で大きく跳ねるのかなと」本日19時から放送の
— 【公式】アンサング・シンデレラ (@unsung2020) March 27, 2020
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“バディドラマ”争いを制するのは『MIU404』
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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