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「京都中央信用金庫」最高裁で暴かれた悪質融資の実態

地裁での不可解な判決が今年2月に下る

 これまで10年近くにも及ぶ本件および関連の訴訟において、同庫は多数の虚偽主張を続けてきた。さらには今般、違法企業の違法行為隠蔽について実績豊富なとある大手法律事務所をつけ、隠蔽へと突き進んでいる様子も垣間見える。  というのも、本件に関する裁判は複数が平行している中で、「最高裁判断が下った後」に、京都地裁で信じられない判決が今年2月に下ったのだ。 「中信側が勝手に印鑑などを持ち出させて書面を偽造した」といった争点や、偽造に関与している登場人物も全く同じで、かつ裁判官は大阪高裁判決を認識していたにもかかわらず、なぜか「原告経営者が敗訴」したのである。その理由も、「(企業A代表者が、自分自身の)口座に入金があったことを中信側に問い合わせをしていなかったから、全てを知っていたはず」という一点だけだった。  一般的に、最高裁の判断と異なる判断を下級裁判所である地裁が下すことはまずない。仮に、最高裁の判断が間違いだと下級裁判所が判断する場合、最高裁の判断した理由の間違いも含め、細部にわたって具体的な理由が判決で示されるものなのだ。しかし、今般の京都地裁の判決ではそのような理由はまったく示されず、また、大量の筆跡偽造の契約書類や、中信職員が捏造した書面、そして中信職員の自白証言については判決で一切触れられていない。これでは、追い込まれた中信を何とかして勝たせようという前提で、無理矢理な判断がなされているとしか考えられない。厳しいコンプライアンスが求められる金融機関としてあるまじき行為ではなかろうか。  これら奇妙な判決については今後上級審で審理されるため、裁判の結果はまた改めて報告するが、今まさに日本の司法がどうあるべきかが問われているといえよう。 ブラック企業アナリスト 新田 龍
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