更新日:2020年04月30日 19:04
エンタメ

サブスク解禁の「ハイスタ」がトレンド入り…伝説的バンドの軌跡

メロコア不朽の名作『MAKING THE ROAD』をリリース。人気絶頂のなか活動休止

MAKING THE ROAD

現在でも“メロコアの金字塔”という呼び声高い1枚(写真はAmazon『MAKING THE ROAD』ジャケットより)

 1999年、彼らにとっての4枚目となるアルバム『MAKING THE ROAD』が、自主レーベル「PIZZA OF DEATH」からリリースされる。同作を機にメジャーレーベルから離れ、メディア露出やセールスプロモーションも拒んだにも関わらず、全世界で100万枚以上もの売り上げを記録した。  このアルバムセールスによって、日本におけるメロコアブームの元祖であり、主役でもある存在として、広く認識されることとなったハイスタ。しかし、2000年に開催された『AIR JAM 2000』でのライブを最後に、突然の活動休止を発表。メンバーは、それぞれソロの活動を開始することとなる。  実は人気絶頂にあった頃、メンバー間には修復不可能と思われるほどの深い溝ができていたという。横山は当時を「お互いにまだ20代で、尖っていた」と振り返っており、度重なる衝突が、活動休止の原因だったと明かしている。

2011年、東日本大震災を機に活動を再開!16年ぶりのシングルをゲリラリリース

ANOTHER STARTING LINE

ファンを驚かせた16年ぶりのシングル(写真はAmzon『ANOTHER STARTING LINE』ジャケットより)

 活動休止後は、ファンの間でもその名前を口にすることがタブーとされるほどの深い確執が、世間に漏れ伝わっていたハイスタ。だが、2011年には『AIR JAM 2011』を開催し、バンドも奇跡の復活を果たすこととなる。  この復活は、同年に日本を襲った東日本大震災を受けて、日本復興のためになにかできることはないかと、模索した末の決断だったという。翌年には『AIR JAM 2012』を開催、この頃から、再び3人で曲を作り始めたという。  2016年には、16年ぶりとなる新作シングル『ANOTHER STRTING LINE』を、事前のプロモーションどころか事前告知も一切ナシにリリース。これは、レコード店の店員が出勤したら店にハイスタの新作が届いていて驚く、というほどのゲリラリリースだったようだ。翌年には、5thアルバム『THE GIFT』を発表し、ツアーで全国を回った。 ――人気絶頂のなか突然活動休止したものの、東日本大震災を受けて復活を果たしたHi-STANDARD。近年はマイペースに活動していた彼らだから、今回のサブスク解禁には新型コロナウイルスの影響が、そしてその背景には、ハイスタなりの美学があったのではないだろうか。<文/福永全体(A4studio)>
1
2
おすすめ記事