黄ばんだファミコン再生計画。あの美しいツートンはどこまで復活する?
いまだに人気の衰えないレトロゲーム機「ファミリーコンピュータ」(以下ファミコン)ですが、中古でも程度の良いものは年々価格が上がってきています。
さてこのファミコン、本体は何色だったかみなさん覚えていますか? 色々思い浮かぶと思いますが、正解は「白」と「えんじ色」のツートンが正解。このカラーリング、今ではファミコンカラーとも言われるくらいの知名度になっています。
そんなファミコンですが、時の流れとは残酷なもの。今、存在している多くのファミコン本体は、黄ばんでしまっていて、キレイな白色のファミコン本体はレア物となり中古でも高く取引されるようになりました。
ファミコン本体には、ABS樹脂と言われる合成樹脂(エンジニアリングプラスチック)が使われています。ABS樹脂は剛性や加工性能、衝撃耐性など非常にバランスの良いプラスチックです。しかし、ABS樹脂に難燃化剤として添加されている臭素や酸化防止剤によって、プラスチックが黄ばんでいってしまうのです。
臭素は紫外線で黄変、酸化防止剤は暗所で黄変と、どう保管してもファミコンは黄ばんで行ってしまう運命とも言えます。
さらに、材質の劣化によって黄ばんでしまうこともありえるので、発売当時のように白色のファミコンは非常に貴重な存在と言えるのです。
しかし、臭素や酸化防止剤で黄ばんでしまったファミコンは、特殊な化合物「Retro bright(レトロブライト)」にて漂白することが可能です。残念ながら材質自体の劣化変色は元に戻せないので塗装するしか方法はありませんが。
このレトロブライトはわずか10年ほど前に発見された比較的新しい手法となっています。2008年初頭に、ドイツのレトロ電子機器博物館「CBMミュージアム」にて、過酸化水素水に漬けると黄変と逆の現象が起こることが発見されました。その後、科学者などの研究により過酸化水素水と紫外線を用いて漂白する方法が確立したのです。
前述したように過酸化水素水と紫外線を用意すれば黄変の逆転現象を起こすことは可能なのですが、日本国内では過酸化水素水の濃度が6%を超えると毒物及び劇物取締法により劇物に指定され、一般人には入手が困難です。
しかし、過酸化水素が約5%で、簡単に入手できる商品があります。それが花王から販売されている衣料用漂白剤「ワイドハイターEX」。一般人が入手できる最高濃度の過酸化水素水となります。さらに、漂白を助ける界面活性剤も入っているので、まさにレトロブライトのためのアイテムとなっています。
さて気になる漂白方法はと言うと……
1 ワイドハイターを容器に注ぐ
2 分解して黄ばんだファミコンを漬け込む
3 数日、天日干し
と、とても簡単な工程です。
用意する容器サイズにもよりますが、ファミコン1台分でだいたい「ワイドハイターEX」が2本ほど。容器代を含めても1000円程で用意ができてしまいます。
ファミコンの黄ばみはどこまでキレイにできるのか?
簡単に入手可能な生活用品で黄ばみ取りをやってみた!
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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