仕事

まだまだ続くテレワーク。ストレスを軽減するテクとは?

 まだまだ油断できない新型コロナウイルス。その影響は“感染”せずとも一般家庭の人々にしっかりと及び始めている。妻との軋轢や育児に疲れ果てる者、帰宅難民と化す者、子供を奪われそうになる者……。今、多くの人の“コロナ疲れ”が臨界点に達しようとしている。テレビでは報じられない、名もなき被害者たちに迫る!
[コロナ疲れ・鬱]解消法

書斎がない人には簡易的に個室代わりになるテントもある。巣ごもり需要で売れ行き好調のようだ

在宅勤務のストレスを軽減するテクニック

 各企業で半ば強制的に始まったテレワーク導入で「気詰まりする」「集中できない」といった訴えも多い。そこで、これまで500社以上の働き方改革を支援し、自身の会社でも以前から社員全員のフルリモートと週休3日を達成してきた越川慎司氏に在宅勤務中のストレス対策を直撃取材した。 「今、多くの企業で大きな問題になっているのが社員の“孤立化”によるストレスです。これまでは出社すれば同僚や部下と気軽に雑談できた。この何げない時間がストレス軽減に大いに役立っていたのです。しかし在宅勤務では黙々と仕事をするため、知らぬ間にメンタルに悪影響が出ています」  こうしたストレス軽減に役立つ方法が2つあるという。 「一つは仕事と無関係な雑談を意図的に取り入れること。ウェブ会議の冒頭で“昼食のカレーがおいしかった”程度のたわいのない会話を年長者から切り出す。腹を割って話し合う“心理的安全性”が担保されると人間関係が円滑になります。もう一つは“感情共有”。嬉しい、寂しいといった感情を社内の人間で共有する。弱音=悪ではなく、弱音を溜め込むほうが、精神疾患や相手を傷つける行動に及ぶなど、弊害が大きいのです」  メンタル面だけでなく環境面にも課題は存在する。 「仕事スペースを確保しにくい自宅環境の人は多い。そういう人は数千円から買える折りたたみ式のパーティションがおすすめです。仕切りでゾーニングするだけでも子供が入ってこず仕事に集中できます。在宅勤務では家族の協力が不可欠。ウェブ会議のような声を発する予定は事前に共有カレンダーに書き込み、その時間に合わせて奥さんが子供と散歩に行くなど工夫したいところです」
越川慎司氏

越川慎司氏

 自宅では緊張感が薄れ、集中できないと嘆く人への対策もある。 「大事なのは上司に対して自分の業務を“見せる化”すること。メールなどでの業務報告の際、翌日の作業内容をあらかじめ送ってしまう。こうした作業がいずれは評価にもつながってくるでしょう」  テレワークの普及はもはや必然だ。一刻も早く順応し、キャリアアップの好機とすべし。 【リモートワークコンサルタント・越川慎司氏】 クロスリバー代表。529社、従業員16万3000人のリモートワーク支援実績を誇る働き方改革のプロ。近著に『ビジネスチャット時短革命』(インプレス) <取材・文/週刊SPA!編集部>
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