まだまだ油断できない新型コロナウイルス。その影響は“感染”せずとも一般家庭の人々にしっかりと及び始めている。妻との軋轢や育児に疲れ果てる者、帰宅難民と化す者、子供を奪われそうになる者……。今、多くの人の“コロナ疲れ”が臨界点に達しようとしている。テレビでは報じられない、名もなき被害者たちに迫る!
※写真はイメージです
急増する“コロナ離婚”危機。回避するための緊急3提言
最近、話題となっている“コロナ離婚”。自粛期間中のやりとりを機に夫婦関係が悪化するというものだ。SPA!でも夫婦間の問題を取り扱うエッセイを連載し、『
すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を上梓したコラムニストの犬山紙子氏はこの現象をどう分析するのだろうか。
「“コロナ離婚”とはいうものの、多くは以前から夫婦関係に問題があり、それがコロナで顕在化したという例がほとんど。これまで家事や育児を一方的に押しつけるなど、ずっとくすぶり続けていた火種がこれを機に爆発……そんなケースが目立ちます。関係性の改善に適切に動けば、危機に対してタッグを組んで挑めますが、放っておくと内紛が起こります」
犬山紙子氏
とはいえ、コロナショックによって夫婦仲が悪化している場合はどうすべきなのだろうか? 犬山氏は
①相手の不安を互いにヒアリングする
②責め合う関係をやめる
③第三者の目を導入する
の3原則を緊急提言。
「今、相手が何で悩んでいるかを聞くだけでも前進です。すぐに解決策が見つからなくても、感情を共有することで耐え忍ぶことができます。また、お互いに責め合えば、視野が狭くなり建設的な話し合いが不可能になる。第三者の目についてはプロの臨床心理士がおすすめ。カウンセリングを通して、自分や相手の姿がよく見えるようになります」
ただし相手がDVや極度のモラハラをするなど、自尊心を著しく傷つけてきた場合は離婚もやむなしとするのが犬山氏の考え。いずれにせよ、緊急時にこそ夫婦のあり方が試されることは間違いない。
離婚の危機にはいたらずとも、夜の生活への影響もあるようだ。全国40~50代の男性会社員400人に実施したアンケートでは、コロナ禍を契機とした夫婦間の性交渉についても質問した。結果、8割は「していない」と回答。理由としては「そもそも10年していない」という声もあれば「今更だが濃厚接触になる」という声も。コロナで夜も自粛傾向にあるらしい。
Q.コロナ禍で在宅時間が多くなったことで妻とセックスをしましたか?
・していない 83.6%
・いつもしているので、自発的に性交 9.3%
・セックスレスだったが、コロナで復活 3.3%
・妻の機嫌を取るために性交 2.0%
・その他 1.3%
・途中までしたが、最後までいかず 0.5%
鼻水で感染を疑われた
玩具メーカーに勤める大山孝さん(仮名・49歳)もその一人だ。
「4月からはほぼ完全に在宅勤務。2年前に子供が独立したため、自粛中は専業主婦の妻と二人きり。いい機会だからと家事も率先してやり、夫婦の会話も増えました」
今ならいけるかもと思い、ある夜、妻の布団に潜り込んでみたものの思わぬ一言が飛んできた。
「“最近、鼻水でてるよね?”と言われました。急に何の確認だと思ったのですが、感染を疑っていたんです。私が花粉症なのは彼女も知っているはずなのですが……」
結局、その言葉で萎えてしまった大山さん。それ以来、気まずい日々を送っているという。