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JALの社員が告白、ネットで叩かれた“制服でマスク作り”の真相

航空業界

ANAは気づいたら上から指示がある

 JALの制服マスク作成ニュースにやや先んじてANAも、CAが医療用ガウンの縫製を支援するという報道があった。これにもSNSでは「時代錯誤だろ」「戦前の考え方過ぎてキモい」などと批判が噴出。「社員としては報道もネット上の反応も冷静に見ていました」と、ANAでCAとして勤務する小林文さん(仮名・29歳)は語る。 「あの“医療用ガウン企画”はもともと上層部が考えていたという噂です。一応、従業員にも“コロナの時期にできること”というテーマでアンケートが配られてはいましたが、上層部は初めから決めていたんだと思います。結果、4月から計4回程度、医療用ガウンの縫製をしていますが、3密にならないように参加者は30人くらいに限定していたようです。応募者は多数いたようですが、限られた人しか参加できなかったと聞きました」  JALと比べると早い時期に行われたものの、参加できる人数などには制限はあったようだ。また、ANA はCAの約8割に当たる6400人を対象に一時帰休させることを発表している。在宅勤務が休みが長引くことに不安はあるのだろうか?

在宅勤務が続くと「社会から必要とされているのか?」と不安になる

「在宅勤務が非常に増えましたし、ここまでお休みになったことがないので不安です。気持ちが落ち込んでいるので、『社会から必要とされていない仕事をしてたのかな?』と考えてしまうこともあります。あと、フライト手当てがつかなくなったので手取りがマイナス10万円になったのもつらいですね。家賃を払えば残りのお金が数万円になってしまう人も多いと思います。だから貯金はできなくなりましたね。ボーナスも減りますし……」  不安をぬぐうために最近、小林さんも資格の勉強を始めたという。 「CAってなかなかつぶしが効かない仕事なんです。辞めてもマナー講師くらいしか道がない。万が一クビを切られたときのために、FPや簿記などの金融の勉強はしていますね」  華やかな印象のあるCAたちでも、コロナ禍での不安やストレスは相当なものだっただろう。大変な時期に、周りの人の心配をして社会貢献活動してくれていたことには、本当に頭が下がるばかり。この話を聞いたら、たやすく批判なんてできないはずだ。 CA<取材・文/すずきおさむし> ※6月15日 一部記事を修正・変更しました。
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