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コロナが生んだ「新たな格差」失業者たちの未来はどうなる?

いくつになっても「修行」はできる

 そんなこの先の展開を受けて、失職したり減給したりした場合は自分の本音の意欲と向き合って、「ファイターとして自分を鍛えていく」か、「のんびりと日々健康に楽しく」を目指すべきかを改めて考えるべきでしょう。  ファイターでいきたいのであれば、これから伸びていくデジタル領域の産業・会社に所属することを目指すか、あるいはなにか近寄ったことをするべきです。職種は何でもいい。経験を積むためには目先の給料が安くてもいいから修行をさせてほしいとダメもとで言ってみてもいいでしょう。  それが難しければ、たとえばホームページを作ってみて、何か適当なものを売ってみることを誰かに聞いたり調べたりしながら一人でやってみるのもありです。50歳を目前とした筆者自身がコロナショックが直撃して暇になってしまい、ようやくホームページを作り出しました。始めるまでが腰が重いものでしたが、やり始めたら楽しく、そして、それなりに難しいことを実感しました。  中小企業では今でもホームページも作れていないところは山ほどあります。そうしたところの門を叩く際、売り上げ金額の大小にかかわらず、経験があれば、話のネタにはできます。たとえば、ホームページを作っていない、もしくは10年前に立ち上げてそのままのケーキ屋さんでアルバイトを1名募集した際、2名エントリーがあって、一人は「販売スタッフ経験だけ」、もう一人は「販売経験だけでなくホームページを立ち上げて物を売ったこともある」という状況だったら、迷わず後者が選ばれるはずです。

家事や固定費を一族で共有して家計負担を減らす

 日々ののんびりを優先させたい場合は、家族単位でお金を考えてしまうことです。まずは一人暮らしをしていたら引き払って実家に同居して、携帯も格安SIMに変えたりして家族単位での固定費を下げること、さらに親の資産を知ることです。自分で最低月いくらを稼げばいいかを理解しておけばいいかを計算しておくといいでしょう。  結婚していても不安であれば夫婦どちらかの実家に無理やりにでもお世話になることです。あまり仲がよくないということであれば、コロナショックを機に始めたと言ってジョギングに出るふりしつつ玄関を出て、公園や図書館などで時間を潰せばいいでしょう。  仕事は実家の近くで探します。やりがいはあればラッキーですが、それがなくても毎月給料をくれることに感謝しつつ、楽しみは仕事以外の時間で見出していくことです。そして、家事や固定費を一族で共有することで家計負担を減らします そのうえで時間やお金に余裕ができたら、簿記など実務に直結して印象のよさそうな資格を無理のないペースで取って、もっといい会社や割のいい仕事に転職できるとベストです。起業など何か具体的にやりたいことができてまとまったお金がほしいと思ったら、目標額を決め、身を粉にする覚悟で集中的に物流や配送など高負担高時給の仕事をするのもいいでしょう。  また、今までも都心近くの実家に住んでいた人は、地元の友人知人との交流を復活させることも大切です。テレワークができる都心の仕事に就きつつ、通勤に使っていた時間は、配送やスーパーの品出しなど体を動かすアルバイトを地元で探すことで健康の維持とプラスαの収入を得て、地元の仲間と楽しい時間を過ごすことは理想的。今から1万円の固定費を減らすより、1万円の別給料のアテを探すほうが有意義なはずです。  コロナショックで感じた人も多いと思いますが、親子や家族との会話が増えたり、時間を確保して運動したりすることに、悪いことは何ひとつありません。これを機に新しいライフスタイルや自分の本音の人生観を見つめてみてはいかがでしょうか。
株式会社リヴァイタライゼーション代表。経営コンサルタント。東京大学大学院修了後、投資会社、経営コンサルティング会社で企業再生などに従事したのち、独立。現在も企業再生をメインとした経営コンサルティングを行う。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社)などがある
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