コロナが生んだ「新たな格差」失業者たちの未来はどうなる?
―[プロ経営者・中沢光昭]―
コロナショックによって、世の中のかなりのものが実は不要不急であり、なくても別に生きていけるという認識になってしまい、「総去勢社会」になっていくような恐怖に似た感覚になりました。
今まで非正規労働者が支えていた旧来型のエンタメ産業(飲食、ホテル、ファッション性の高い小売、イベント関連など)は人間の生活を豊かにするためにも必要なものだとされてきたはずでした。しかし、それが「プチ贅沢」という位置づけにされたため、実質的な失業者が増大しました。
カネがかからない「そこそこの楽しみ」が選ばれる
デジタル化が生み出す「新たな格差」
あまり実感がないかもしれませんが、デジタル領域は増加する負荷を自動処理が引き取ってくれますので、追加的な労働力はそんなに必要ありません。例えば、2019年度のデータによると、楽天のネットサービス事業は売り上げ約7900億円に対して従事者はおおよそ1万人です。
一方で同じ小売業であるイオンはGMS(総合スーパーマーケット)事業は売り上げ3兆8000億円に対して9万7000万人、SM(スーパーマーケット)事業は売上3兆円2000億に対して10万人が従事しています。7兆円という楽天の10倍の売り上げを作るのに、イオンは20万人という20倍の人手がかかっています。すなわち20倍の雇用を生み出してきたというわけです。
現在、楽天市場はコロナショックの影響で売り上げが数倍に上がっているとも言われている一方、クローズを余儀なくされたイオンの小売部門の売り上げは惨憺たるものでしょう。残念ながらこれは一過性ではなく、全国で余剰人員が発生する可能性が高いです。
ちなみに楽天の5年前の同事業は売り上げ3630億円に対して従事者は約9000人でした。5年間で売り上げが倍以上になっても、追加の人間は10%ほどしか必要ではありませんでした。増える売り上げと負荷はデジタル処理が頑張ってくれていますので、追加の人員はほぼ不要なわけです。要するにスキルなどは考慮せずにいえば、デジタル化が進めば進むほど小売に必要な人は激減します。
1
2
株式会社リヴァイタライゼーション代表。経営コンサルタント。東京大学大学院修了後、投資会社、経営コンサルティング会社で企業再生などに従事したのち、独立。現在も企業再生をメインとした経営コンサルティングを行う。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社)などがある
記事一覧へ
記事一覧へ
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
「人生やり直したい」1か月で退職した新入社員の後悔。再就職に失敗し“手取り20万円のホテル従業員”になったワケ
「仕事はスマホですんでたのに…」出社したくないリモートワーカーたちの遠吠え
<マンガ>看護師の前でまさかの…コロナで重症化したマンガ家が“人としての尊厳”を失った瞬間
パチンコ業界事情 「北斗無双」など旧基準機設置延長が招くボッタクリ営業増加とホール倒産ラッシュ
コロナ禍で借金や整形、ホストに堕ちた学生が“普通の日常”を恐れるワケ
コロナ失業の元キャバ嬢が見出した活路「最初は時給換算で50円くらい」
コロナで年収マイナス65%…除雪作業員のバイトで一時しのぎする41歳男性
コロナで変化する水商売。昼職を辞め熟女キャバ嬢に転身した女性も
コロナで「まさか」の転落。再就職先が見つからず、自暴自棄に
無料で食料をもらえるフードバンク、コロナ以降利用者が2倍に。食品争奪戦の未来が来る?
「40歳の長男に毎月10万~15万円の仕送り」老後破産に怯える69歳女性の苦悩。パートに勤しむが「生活はギリギリ」
「会社来なくていいから辞めてくれ!」サボる上司に怒鳴り散らしてしまった48歳男性の末路
“大量リストラ”自動車メーカー、夏のボーナス額を51歳技術職が暴露。100万円超でも「不安は尽きない」ワケ
賃上げしたはずなのに「年収が50万円減った」32歳女性の嘆き。“若手優遇の給与体系”に納得できない
“ボーナスを廃止”した企業の社員満足度がアップしたワケ。離職率が低下し「面接しても採用できない」ことも
この記者は、他にもこんな記事を書いています





