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8000坪の山林を買って地方移住。20㎡の小屋を建てて暮らす家族の日常は?

 埼玉県のベッドタウンで平凡な会社員の家庭に育った誉さんが憧れたのは、ヒッピーのコミューンだった。 「それが単なる憧れか、そうじゃない何かがあるのか確かめたかった」という誉さんは、半年以上にわたり、コミュニティでの暮らしを体験し、そんな暮らしを楽しめている実感を得ることができた。そうしたなかで千里さんと出会い、計画はコミュニティから家族の住まいへと変化。地元の関東を中心に土地を探しはじめたが、条件にしていた「水源になる川が流れていて、自然が豊かで広大、それでいて安い土地」が見つかったのは、縁もゆかりもなかったこの場所だったというわけだ。
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乃空ちゃんの2歳の誕生日プレゼントに誉さんがつくった滑り台。すっかりお気に入りで、この日も何度も遊んでいた

「私たちは修行をしているわけではないので」と千里さんがいうように、誉さんはここで仕事に就き、千里さんと乃空ちゃんは、日中はコミュニティセンターや買い物に出かけることも多く、地域社会に溶け込んで暮らしている。一見ストイックに見える生活だが、「長く続けていくには、快適性が大切です。だから、小屋も快適に暮らせる大きさと、性能にしています」と誉さん。そうでなければ、まだ幼い乃空ちゃんを育てるのも難しかったことだろう。
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小屋周辺の様子。周囲は雑木林に囲まれ、切り開き利用しているのはまだごく一部。左に植えられているのはマコモ

「自然のなかで暮らしのためのものをコツコツつくる。それが長年憧れていたことでした。だから、いまは本当に楽しいですし、ライフワークとして将来も変わらず続けていると思います」という誉さん。そう確信できるのは家族の和があればこそ。 「よく、すごいのは私ではなく、つきあってくれる妻だといわれますが、本当にそのとおりだと思います」
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寝室に使っているロフトは、適度な囲まれ感が落ち着く。南側には大きなフィックス窓が設けられとても明るい。ネコは家族の一員のさつきちゃん

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小屋の中は畳敷きで壁は漆喰。たくさんの窓からの陽射しで明るく開放的。畳は近所の畳店で廃棄寸前のものを譲ってもらった

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室内はけっして広くはないが、ロフトの下を棚にするなどし、快適に過ごせる工夫がいっぱいだ

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小屋には、暖房用の薪ストーブも据えられている。機種はホンマのMS-403TX。薪は敷地の木を使っている

写真/高橋郁子(たかはし・いくこ) 1980年生まれのフリーランスフォトグラファー。暮らしやアウトドアの分野を中心に、広告、書籍などで活動中。ikukotakahashi.com 取材・文/加藤 純(かとう・じゅん) 建築ライター/エディター。大学で建築を学んだ後、建築専門誌の編集部を経てフリーランスに。建築デザイン分野を中心に、各種出版物やWebコンテンツの企画・編集、取材・執筆を行う。著書に『日本の不思議な建物101』『「住まい」の秘密』など。“空間デザインの未来をつくる”「TECTURE MAG」チーフ・エディター
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