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8000坪の山林を買って地方移住。20㎡の小屋を建てて暮らす家族の日常は?

 気に入った場所が見つかったら小屋を建てる。そこが、遊びの拠点になる。プライベートに自然と向き合う。小屋という装置がそんな贅沢な時間をくれる。小さな小屋だからこそ、お気に入りのデザインを追究できる。そんな小屋の魅力とは? 小屋のある暮らし訪問 第1回 近藤 誉さん(岡山県美作市)
小屋暮らし

小屋に架けた屋根の下が台所。手前の全自動洗濯機はいただきもの。使用するときは発電機を回す。厳冬期は小屋の中のキッチンを使う

家族の和が支える大自然のなかの小屋暮らし

 岡山県美作市の集落の外れにクルマを停め、徒歩で山道を進むと、こつ然と小屋型のポストが現れる。さらに足を進めると、道はやがて小川に合流し、道に渡されている呼び鈴を下げたロープが出迎えてくれる。そこから木々の間に見える小屋が、近藤さんご家族が暮らす住まいだ。
小屋のすべて

近藤さんの小屋の隣には、生活用水にもなっている清流が流れている。夏の初めは、ここをホタルの大群が舞う

 夫の誉さんの案内で到着したのは夕方。セルフビルドした小屋に外付けされた大きな屋根の下の台所で、食事の支度に忙しい妻の千里さんが笑顔で迎えてくれた。野菜を洗ってお手伝いをしているのは、2歳の娘の乃空(のの)ちゃん。とっぷりと日が暮れるころ、外の蚊帳に置かれた小さなダイニングで親子3人の夕食が始まり、乃空ちゃんは大好物の納豆パスタを頬張っていた。  小屋は片流れの屋根をもち、外壁は下見張りしたスギ板。建築面積は20㎡ほどで、1階は畳敷き、寝室の板敷きのロフトは10㎡ほどの広さだ。  生活に使う水は隣を流れる清流からくみ上げ、洗濯機以外の電気は、太陽光発電で賄っている。これらはすべて、誉さんがコツコツとつくり上げてきたものだ。敷地はなんと8000坪と広大。見渡すかぎりの雑木林が近藤さんの土地だが、それを少しずつ切り開き、小屋や畑などをつくった。
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台所は流しもあり明るい。調理器具も充実していて、千里さんが毎日腕を振う

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夕食のパスタをゆでる。使っているコンロはロケットストーブだ

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光に虫が集まってくる夕食は、蚊帳の中で。家族の会話が最高の調味料に

「デッキや風呂小屋など、まだまだつくりたいものはたくさんあるし、もっと土地も切り開きたいのですが、夏は草刈りに追われて休日が終わってしまいます」と誉さん。小屋を建てた後に生まれた乃空ちゃんはまだ小さく、住環境づくりはスローダウンしているが、その表情は満たされている。
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小屋づくりの最中に妊娠が発覚
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小屋のすべて (扶桑社ムック)

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