更新日:2021年03月22日 16:26
お金

サイゼリヤが価格改定「ピッタリ1000円」で何が食える?8月にはキャッシュレスも

現代人の財布に合わせた価格改定

 この日はあえてキャッシュレスではなく現金で会計を済ませた。1000円札1枚出すだけで店を出ることができるのは本当に気持ちがいい。これにキャッシュレス決済が加わるとしたら、確かにサイゼリヤは長足の「近代化」を遂げることができるはずだ。 メニュー 70年代の終わりに日本でタイトーの『スペースインベーダー』が流行した時、あまりの人気に100円玉が不足したという都市伝説もあり、当時のタイトー本社には100円玉で過積載になったトラックが毎日往来していたという。あの時代にキャッシュレス決済があれば…。  そもそも、現代人の財布は小さい。これは比喩ではなく、本当に小さい。いわゆる「ミニマリストウォレット」というもので、数枚のカードと畳んだ紙幣が入ればそれでいいという発想だ。「長財布は金持ちの証」というイメージは、既に古ぼけたものになっている。  そんなライフスタイルだから、頻繁に小銭が発生するような決済は非常に困る。サイゼリヤの価格改定は、現代人の要望に応じた判断と解釈することもできる。

業界全体に影響が波及か?

 取引のほとんどをキャッシュレス決済で実行する近未来は、確実に到来しようとしている。だがその前に、あらゆる小売価格の下二桁が「00」もしくは「50」になる瞬間が来るのではないかとも想像してしまう。それは決して突飛な妄想ではないはずだ。  誰にとっても便利な社会の実現。現金決済を選択しても小銭の発生しない価格設定は、小売・飲食業界にとっては避けて通れないプロセスになるかもしれない。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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