駅のタクシー乗り場で並んでいると自分はどんな車のどんなドライバーにあたるのか気になったりしませんか？「セダンタイプよりもジャパンタクシー（ミニバン）がいいなぁ」とか　「あの車のドライバーは人相が悪いから嫌だなぁ」、「あのドライバー、格好いい！」など、自分の順番とタクシーの順番を数えた経験があると思います。中には「お先にどうぞ」とか順番を譲ったり譲られたりする経験もあるかもしれません。 　これはタクシードライバーから見ても同じ話で、「あのおじさん怖そう」とか「あのおばさん神経質そう」など思ったりしますが、ドライバーはお客様を選べません。 　よく順番通りに乗らないとルール違反なの？と聞かれることがあります。結論から言いますとルール違反ではありません。これは乗る側と乗られる側のモラルの話で、円滑に気持ちよくことが進むためのタクシー乗り場であるからです。 　でも、皆が守っているのに守らない人がいるとあまりいい気持ちはしません。 　電車が止まった時や雨が強く降る時など、タクシーがなかなか捕まらないという経験があると思います。タクシー乗り場は長蛇の列、タクシーは来ないとイライラしている時、さらにイライラを増す行為をする人がいるがいます。 　タクシー乗り場に入るタクシーを狙ってつかまえる人です。中には、そんなつもりではないという人もいますが、わざわざタクシー乗り場を横目に先回りし、１つ手前の曲がり角で待機する。そんなことで、タクシーは乗り場に辿りつくことなく去っていく。真面目に行儀良く並んで待っている人にはいつになってもタクシーは来ません。これまた、タクシードライバーも然り。ドライバーの中には、わざわざタクシー乗り場に行かずして、タクシーの列に並ばず乗せられ回転も効率もいいとその人狙いで乗せることもあります。そこでその人たちのwin-winの関係が成り立つ。何か世の中の縮図を見ているような気がします。 　秩序とは何か？　守る人がいるから保たれる、破る人がいるから秩序という言葉が意味を為す…。正直者がバカをみる世界だけは避けたいものですね。 物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード（荷物・人）だけではなく、ソフト（心と気持ち）の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー！」