『ポケモンGO』が抱えるジムバトルの問題点。暴力事件はなぜ起こる?
―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―
配信開始から4年たっても、セールスランキング上位を維持し続ける人気位置情報ゲーム『ポケモンGO』。この7月には、有料のバーチャルイベント「Pokemon GO Fest 2020」も開催され、世界的な話題となりました。
しかし一方で、8月には北海道で『ポケモンGO』プレイヤー同士のケンカによる暴行事件が2件発生し、SNSを騒がせる一幕も。『ポケモンGO』の熱心なプレイヤーからは「やはり起きてしまったか……」という声が上がっていました。
実は今回の1件目の事件のきっかけにもなったと言われる、「ジム」を巡るトラブルは、以前から多数報告されています。ゲーム内ではなく、プレイヤー自身が相手のプレイヤーを脅す“リアル防衛”なる裏用語も存在します。なぜそうしたトラブルが発生してしまうのでしょうか。
『ポケモンGO』は、リアル世界に出現するポケモンをゲットしてコレクションするというゲーム性がメインですが、それ以外にもルーツとなった位置情報ゲーム『イングレス』の流れを汲み、陣取り合戦という側面も持っています。
全プレイヤーは青・赤・黄の3チームに分かれ、点在するジムにポケモンを配置して攻防を繰り広げていくのです。ジムを防衛した時間に応じて1日最大50ポケコイン(約50円)のゲーム内通貨が獲得できます。
こうした対人戦の取り合いという、そもそも争いが起きやすいゲーム性に加え、さらに問題となっているのが特定プレイヤーによるジムの占拠。ジムに配置できるのは、1プレイヤーにつき1匹ずつで最大6匹(同色チーム)。しかし、それを1人のプレイヤーが複数のアカウント(通称“複垢”)を使い分け、自分で6匹置いて独占するのです。
そして、誰かが攻撃を仕掛けてきたら、ポケモンのHP(やる気)が回復する木の実を6匹にひたすら与え、防衛する……。本来は1つのジムに6人のプレイヤーが同居するので、スキができやすく、また、1日にもらえるポケコインの上限(8時間20分防衛)も決まっているため、ジムの循環が起こるのですが、それを妨げているのが占拠しているジムは絶対に渡さないという通称“ジム管理人”。このやっかいな“ジム管理人”がいると、いわゆる死んだジムとなり、敵味方関係なく誰もポケモンを置けなくなってしまいます。
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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