竜退治はもうあきた。アンチドラクエと言われた『メタルマックス』の新作
―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―
『メタルマックスゼノ リボーン』
PS4、Nintendo Switch/角川ゲームス/9月10日発売/6480円(+税)
『メタルマックスゼノ リボーン』が9月10日に発売されます。『メタルマックス』と聞いて懐かしいと思うのはファミコン・スーファミ世代でしょうか。“アンチドラクエ”と言われたメタルマックスが、どのようなゲームだったのか簡単に振り返ってみましょう。
ファミコンで初代『ドラゴンクエスト』が発売されたのは1986年。その後、『II』(1987年)、『III』(1988年)とシリーズを追うごとに人気が加速し、コマンド式RPGも大ブームとなりました。
『ヘラクレスの栄光』『桃太郎伝説』『貝獣物語』『MOTHER』『サンサーラ・ナーガ』……。各メーカーからキラ星のような名作が発売されましたが、なかでも異色だったのが、ファミコンとしては後期の1991年に発売された戦車と人間のRPG『メタルマックス』。
「竜退治はもうあきた。」という挑戦的なキャッチコピーそのままに、文明が崩壊し荒廃した近未来で、戦車を強化し、「モンスターハンター」(あの『モンハン』よりも先)として賞金首を狩るという硬派な世界観が売りでした。さまざまな戦車を手に入れて改造しながら進めていくのが斬新。人間の仲間もいますが別にパーティに加えなくてもよく、イベントを解く順番も自由で、当時としては大人向けの雰囲気が漂っていました。赤い戦車を駆るライバル・レッドウルフの存在も強烈に記憶に刻まれています。
スーファミの『メタルマックス2』(1993年)、『1』のスーファミ向けリメイク『メタルマックスリターンズ』(1995年)で核となる部分が完成し、熱いファンがつくシリーズとなった『メタルマックス』。ペット(インテリアの一種)の「金食い虫」に稼いだお金を食べさせて巨大化させたり、「イヌさらい」「人間戦車」など称号を集めたり、洒脱で遊び心あるやり込み要素も豊富でした。
生みの親は、「週刊少年ジャンプ」の連載「ファミコン神拳」に登場していた「ミヤ王」こと宮岡寛氏。『ドラクエ』の制作にも関わったうえでの“アンチドラクエ”とも言える内容。反骨精神を感じる作風が人気の秘密かもしれません。
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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