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薄毛は遺伝なのか? 20代から進むAGAの原因を、専門医に聞いた

父が薄毛なら息子も危ない、とは言い切れないが…

「それが、正しいとも間違いとも言いがたい、非常に難しい質問なのです。  男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストロンへと変化させる5α-還元酵素は、遺伝子によって強さが左右されますが、それはひとつのみの遺伝子ではなく、『多因子遺伝』によって決まるからです。『多因子遺伝』とは、単一の遺伝子ではなく、複数の遺伝子や環境要因の影響で形質の発現が起こる遺伝現象。そのためとても複雑で、原因遺伝子を特定するのは難しいのです。  ですから、『父親が薄毛で、その他の条件がまったく同じであれば、現在症状は出ていなくても薄毛になりやすいかもしれない』というレベルで捉えてください。祖父やそれ以上前の世代から世代を飛ばして遺伝して、隔世遺伝で薄毛になるという説も、単一遺伝疾患に対して使われる言葉ですので、正しくはありません。  ただし、AGAは治療により改善が見込める症状です。以下、薄毛の進行度がわかる『ハミルトン・ノーウッド分類(N-H分類)』を参考に、ご自身の頭頂部を合わせ鏡でチェックしてみてください。」
ハミルトン・ノーウッド分類 

ハミルトン・ノーウッド分類 

日本人は頭頂部からハゲやすい。鏡でチェックを

「欧米人は前頭部から薄くなりやすく、日本人は頭頂部から始まりやすいといわれています。ただし、頭頂部は自分でも気づきづらい部分なので、発見が遅れる傾向にあります。早い段階で対処するほうが絶対的に有利。私は研修医時代、先輩に『お前ちょっとハゲてるぞ』と指摘されて気づきましたが(笑)、他人は教えてくれないものです。だからこそ自身で精査してみるべきです」  AGAの治療は専門の病院へ行ったほうがいいとのこと。花房医師自身も、クリニックでの3種類の治療を経て、豊かな毛髪を取り戻したという。次回は、その具体的な治療法を解説してもらおう。 <取材・文/内埜さくら>
(はなふさ・ひづき)はなふさ皮膚科院長。2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年、三鷹はなふさ皮膚科を開設の後、東京・埼玉で7院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科にも取り組む。著書に『ぜんぶ毛包のせい。』など
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